高木 淳 様のインタビュー

高木 淳 様のインタビュー内容

高木 淳 様
(株式会社プライムセンス)

溺水事故を1秒で検知!産学官連携で開発するプール安全監視システム「Meel」でプール事故ゼロへ

資金調達額
29,700,000
(目標額:8,000,000円)
支援者数
153

プロジェクトの概要

プールでの溺水事故をゼロにしたい テクノロジーで真の安心を届ける

プールでの子どもの水難事故は毎年全国で発生しており、監視員のいる状況下でも完全に防ぐことが
できていません。

溺水防止に向けての世界的な関心の高まりや学校の水泳授業が民間へ委託される動きなどもあり、
これまでの人的監視を中心とした体制からテクノロジーを活用した溺水防止対策への需要が高まっています。

実は、大半の溺水事故は救護が難しいわけではなく、問題は直ちに発見されないことと言われています。
人間の監視には限界があり、光の屈折や反射でプールサイドからは水中が見づらい上、検知力の個人差や、精神的プレッシャーが課題として存在します。
また監視員や学校の指導者も減少しており、負担が大きい面もあります。しかし、プールの安全管理におけるITソリューションの導入は遅れており、近年は監視カメラを導入する例もありますが、プライバシーや映像流出のリスク、溺水検知にタイムラグがあるといった
課題で、導入が進んでいないのが現状でした。

弊社が開発した溺水感知システム「Meel」は、小型のRFIDタグを内蔵したアタッチメントをスイミングキャップに装着し、
プールサイドに設置されたアンテナがタグを0.3秒~1秒間隔で常にモニタリング、タグをつけた利用者が一定時間以上水没すると、
システムが溺水の可能性ありと判断、監視モニターへの表示と警報、さらに監視員が持つウェアラブルデバイスへの振動でリアルタイムに危険を知らせるという仕組みです。溺水事故の最大の課題である、即時発見を可能にしました。


縁がつなげた産官学連携 命を守る仕組みを未来に

RFIDタグはSuicaや衣料などの物流管理などで普及していますが、人体装着は未だ実用化されていません。
その理由はRFIDが人体や水分の近くで電波放射特性が劣化してしまう為です。

私たちは独自の手法でこの課題を解決し、人体装着しかもプールという水分の多いところでの長距離検出を可能にしました。
初の技術で特許も取得しています。

これまでこのような本格的な溺水検知システムは世の中にほとんどありませんでした。
開発にあたって専門家の助言を得るため関連する論文を検索していたところ、千葉大学の論文が目に留まりました。
共同研究の依頼をすると事業内容に共感していただき、また教授が私と同じ高校出身だったこともあり、
スムーズに共同研究がスタートし、技術的な課題を乗り越え商品化への道筋をつけることができました。

そして実証実験の場を探し、神奈川県藤沢市役所を訪れた際も、社会課題として認識して、
教育委員会の指導主事の方をご紹介いただき、協力を得ることができました。千葉県柏市にも同様に賛同、ご協力いただいています。
協力自治体の屋内外プールでの検証を通じてシステムの完成度を高め、さらなる進化を目指しています。

今後も我々だけで取り組むのではなく、水泳連盟、スイミングクラブ協会や教育委員会、ライフセービング協会など、
関係者と手を組んで輪を広げていきたいと考えています。


クラウドファンディングを利用した目的

一般的な購入型クラウドファンディングは知っていましたが、株式型のクラウドファンディングは実は知りませんでした。

今回の事業の認知を広げるために展示会に出展していたところ、今回利用した事業者の方が声をかけてくださいました。
事業内容に共感いただき、是非一緒にやりたいとおっしゃっていただき、チャレンジする事を決めました。

実はVCにも相談していましたが、私の年齢を理由に厳しい言葉を浴びせられました。その点クラウドファンディングは年齢に関係なく、短期間で資金調達でき、事業内容をしっかり説明し、社会課題の解決など金銭的な部分だけではない面を評価してもらえます。

始める前は、株主が増えるということに若干の怖さがありましたが、実際は株主というよりも、事業に対する応援団のようなイメージで、様々な応援メッセージをいただき、今後の励みとなりました。

株式型クラウドファンディングは新時代の手段で、これからもっと盛り上がっていくと実感しています。


支援を行った取扱ECF事業者に対する感想

今回利用したクラウドファンディング事業者は、担当の方が事業内容に共感いただいて、熱心に取り組んでいただきました。
共に事業を進める仲間のような感覚で大変心強かったです。

プロモーションや事業計画、プロジェクトページなど各分野の専門家がおり、
私のように株式型クラウドファンディングを知らなかった者でも、手厚いサポートでスムーズにプロジェクトを進めることができました。

展示会に足を運んでいただいたことが縁で、クラウドファンディングプロジェクトを成功させることができ、より認知を広げられたことに大変感謝しています。


クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点

良かった点

  • 単純な出資者ではなく、事業に共感して応援していただけたこと
  • 実証実験や研究費など資金を短期間で集められたこと
  • プロジェクトを通じて、より多くの方に事業を知ってもらえたこと

苦労した点

  • 法的な書類を準備するスケジュールがタイトだったこと

今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス

事前準備を緻密に効果的なPR戦略を

多数の株主を募るクラウドファンディングは、事業アイディアそのものの優位性、新規性が必要なのは言うまでもありませんが、
時流性、物語性、社会性というニュースの価値観をしっかりと意識した「メディアマーケティング戦略」も重要な要素を占めます。

クラウドファンディングによる募集期間はたったの2週間。延⾧してもせいぜい1か月弱。
いかに期間中にメディアへの露出をピークに持っていくか、これが成功のカギかもしれません。
しっかりとメディア戦略を仕込んで、試合(募集期間)にピークをもってくるという、スポーツ選手の様なマネジメントが必要です。
宣伝ではなく、取材など費用がかからないPR手法を多用すると良いと思います。

私のようなシニア起業家や、社会的意義のある事業に取り組む企業にとって、株式型クラウドファンディングはとても効果的な資金調達手段です。ぜひ挑戦していただきたいと思います。