佐藤 友亮 様のインタビュー

佐藤 友亮 様
(株式会社水龍堂)
ユーザーの用途に応じた国産ROV
(水中ドローン)を開発したい!
(目標額:10,000,000円)
プロジェクトの概要
日本の環境にあった小型の日本製ドローン
私は、東日本大震災の復興に向けて、水中での調査や測量を行う潜水士などの支援に従事した経験を
持ち、海洋調査に用いる機器の輸入や国内販売に携わってきました。
水中での業務は危険度が高く、潜水士の高齢化が進む過酷な労働環境を目の当たりにし、
ROV(水中ドローン)の普及を目指して2022年3月に会社設立しました。
ROV(水中ドローン)の最大の魅力は、人間が立ち入れない狭い場所や危険な水域でも、
容易に作業できる点です。
潜水士による目視では実現できなかったことが、遠隔操作によって可能になり、安全性の向上や省力化、
コスト削減等にも期待されています。
しかしながら、現在、海外では、既にROV(水中ドローン)の開発が進んでおりますが、主に海での利用が主流なため、ドローンのサイズが大きく、日本の河川やダム等に対応できる「小型」のドローンがほとんどない状況です。
今回のプロジェクトでは、日本のダムや河川、港の環境に適した、水中のインフラ点検用のROV(水中ドローン)を
もっと利用して欲しいという思いから、日本製のドローンを開発する資金調達の一環として、プロジェクトを実施しています。
現状、国内市場は海外メーカー製品が大半を占めており、国内でも少しずつ開発が進められていますが、
産業用と言えるまで普及しておりません。
私たちは、使用場所や、搭載できるセンサ等の数といった点で他の製品との差別化を図りつつ開発を行っていきます。
ROV(水中ドローン)の開発、導入から運用まで一括サポート
私たちの事業では、遠隔操作型の無人潜水機(通称:水中ドローン)の自社製品の開発だけでなく、「海洋事業」への参画を考えている
企業に対して、コンサルティングを実施し、ドローンの開発、導入、運用段階までの一括サポートを提供しています。
日本市場における水中ドローンの課題は、市場に流通している海外製品のサイズが大きく、重量が重く、ドローン本体の燃費が悪い為、
日本の細い水道管やマンホールの中などの点検には、不向きな点がありました。
私たちは、特にインフラ点検を得意とした小型のROV(水中ドローン)「龍頭(リュウズ)」を開発、販売しています。
こちらの製品の特徴は、ユーザーの用途に合わせて「カメラやセンサ」などをカスタマイズできる点です。
今、日本の橋梁やダムなどの水中インフラは老朽化が進み、自治体等による定期点検が進められているものの人手不足の為、
水中ドローンの需要が高まっているのが現状です。
私たちの強みは、潜水士などの支援に従事した経験を持ち、海洋調査に用いる機器の輸入や国内販売に携わっていたことから、
日本のドローン市場の潜在的なニーズを把握し、お客様視点で水中ドローンを開発できるところにあります。
クラウドファンディングを利用した目的

主な目的は「日本製のドローンの魅力を伝えたい」という点です。
現在、日本製のドローンを製造開発しているのは、スタートアップ起業を含めたわずか5社程度です。
しかし、海外からの輸入代理店は10社以上もあり、海外製品と比べて、国産のドローンは日本の市場では、非常に弱いというのが実情です。
市場に出回る海外製品の中にはエントリーモデルとして、安価で小型なドローンもありますが、搭載されている機能が少なく、
日本のインフラ整備に必要な「点検・計測できる機能」が1台に備わっておらず使用するにはあまり向いておりません。
また、国産のドローンの開発の課題は、まだまだ市場が大きく活性化していない為、新たに大手企業が参入して開発するとなると、
1台当たりのコストが多くかかり、利益が確保できないという理由で、新規参入しづらい点もあります。
しかし、逆に言うと中小企業では、お客様のニーズにあった製品を把握し、開発がしやすく、受注生産体制を貫くことで、
低コストでのご提供の実現も可能です。
今回、調達した資金で自社製品の「龍頭」の拡販に向けて、各種展示会・セミナー・デモンストレーションや、
弊社販売代理店様向けにも販売開始の案内とセミナーを実施し、日本製のドローンの魅力をさらに伝えていこうと考えています。
支援を行った取扱ECF事業者に対する感想
プロジェクトページを作成する際に、
ECF事業者の担当の方がどのようなページを作成するかをしっかりとヒアリングしてくださり、
ページだけでなく、事業内容を説明する動画なども一緒に作成してくださいました。
担当の方から様々な提案もいただき、二人三脚でプロジェクトを進めることができたと思います。
また、事業計画の中身についても助言していただいたことで、具体的な数字への落とし込みができ、
将来を見据えた「計画」を立てることもできました。
会社の法務的な事項についてもサポートしてくださったので、安心して進めることができました。
そして、有料にはなりますが、次回の「株主総会」にもECF事業者の方が参加してもらえるので、
とても安心感があります。
そういった、伴走支援がしっかりとしていた点がとてもありがたかったです。
クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点
良かった点
- 目標を立てたおかげで、今後の事業計画が明確になった。
- ROV(水中ドローン)の業界の認知度をあげることができた。
- 若手で展開している会社がなかなかないので、新しい事例を作ることができ、業界の発展につなげることができた。
苦労した点
- オンライン説明会を実施したが集客が上手くいかないことがあった。
今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス
目先の資金調達だけでなく、長期的な視点で事業を見据えて、何年後に幾ら資金が必要か、どのように調達するかを、
しっかりと計画を立てることの大切さを改めて学びました。
また、BtoCの事業であれば、クラウドファンディングを実施するだけでも、事業の宣伝効果としては、プラスに働くと思います。
そして、資金調達が成功すればそこで多くの資金が手に入り、事業を展開することができるのでぜひチャレンジしてみてください。
