江本 真聰 様のインタビュー

江本 真聰 様のインタビュー内容

江本 真聰 様
(株式会社UDエスカレーター)

安全性向上と収益化を両立!
エスカレーター広告の可能性

資金調達額
21,690,000 (目標額:5,040,000円)

プロジェクトの概要

エスカレーターの「手すり広告」で利用者の安全も向上!

東京都内には、現在約1万6千基のエスカレーターが稼働しており、日常生活に欠かせない重要な
移動手段です。

一方でエスカレーターの利用増加や高齢化によって、エスカレーターの事故も増えています。

東京都内では、年間1,300件以上、1日あたり約3.6件の救急搬送があります。
顕在化していない事故も含めるとさらに多くの事故があります。これらの事故は高齢者に多く、
高齢者を含む視覚機能に不自由がある方は、エスカレーターの上下の方向や、
スピードの判断が難しく、それが事故の原因となっていました。

エスカレーターの安全対策は、主にエスカレーターを設置する施設管理者が行いますが、対策のためのコスト面で負担が生じます。
この導入障壁を取り払うのが、エスカレーターそのものを広告媒体に活用するエスカレーター広告です。

エスカレーター広告は、1階分の移動で約30秒間、至近距離から広告を視認できるという広告としての強みがあります。

安全面では、手すりベルトに等間隔に「ゆうどうマーク」を設置し、エスカレーターの動きを認識しやすくしています。
「ゆうどうマーク」は人間工学に基づいて視線を手すりに誘導し、エスカレーターの動きを認識させるデザイン技術で、特許も取得し、
国土交通省のバリアフリーに関するガイドラインにも掲載されています。また、約500kgの圧力がかかるローラーとの摩擦や継続的な伸縮といったエスカレーター特有の過酷な環境に耐えうる特殊ウレタンシートで耐久性があります。

視線を誘導する「ゆうどうマーク」と広告を印刷した多機能手すり「UDベルト」を施工することで、高い転倒事故防止効果と広告効果を実現させ、エスカレーターに新たな価値を創造するプロジェクトです。


社会的大義を達成しつつ利益をあげるビジネスモデル

社会的に安全対策やバリアフリー対策も徐々に進んではいますが、
高齢化のスピードはさらに速くエスカレーター事故の被害者も増えています。

また、SDGsという言葉が浸透し、社会的大義をマーケットに浸透させなければ人は動かせず、
売り上げも上がらない世の中になってきています。

その社会問題に直接的にアプローチできるのがUDエスカレーターの広告です。

約20年前に、カナダで誕生したエスカレーター手すり広告は、日本に導入された当初、新規媒体であることや、
安全性の問題から導入が進まず、収益も上がりませんでした。

その点、UDエスカレーターのビジネスモデルは、エスカレーター事故を減少させるという、社会的大義を第一義に、
そこに広告という付加価値を付け、収益性も確保しています。

転倒事故を減らすとともに、広告主は認知を上げることができ、施設側は広告収入により安全性向上取り組みを継続的に行うことが
できる、という「三方よし」を実現するビジネスモデルです。

エスカレーターの手すりを事業資産として活用することを専業としているのは、
日本のみならず、世界中でUDエスカレーターしかありません。

当社はまだまだ発展途上ですが、今現在積み重ねている結果は、強固なビジネスモデルが凝縮されたものであると自負しています。


クラウドファンディングを利用した目的

認知拡大と中長期にわたる成長のために

UDエスカレーターの事業内容は、社会的に意義があると確信していますが、
当社はまだまだ未熟なベンチャー企業で、認知の拡大を目指していくフェーズにあります。

また、当社が目指す中長期にわたる成長とエスカレーター事故の課題解決のためには、
新商品の開発や広告主の獲得などのビジネス展開が必要不可欠です。

どちらも多額の費用と時間をかけて行わなければならないものですが、株式投資型クラウドファンディングでそれらの課題が
解決できると考えチャレンジしました。

通常の融資や、ベンチャーキャピタルによる投資と比べ、短期間で資金調達でき、経営への影響が少ないのも大きな魅力でした。
プロジェクトページを通じて事業内容を広く知っていただき、通常では接点がなかったであろう個人投資家の方々と
関わりを持てた上に、想定を超える資金調達ができ事業の進展に大いに役立ちました。


支援を行った取扱CF事業者に対する感想

ベンチャー投資の経験が豊富で的確なアドバイス

今回利用したECF事業者は、ベンチャーキャピタル出身の方などベンチャー投資の経験が豊富な
メンバーが多数在籍しており、プロジェクト立ち上げ前から頻繁にやり取りして的確なアドバイスを
いただけ、大変心強かったです。

こちらの要望を粘り強く聞いていただき、事業の本質をプロジェクトページに適切に表現して
いただけました。

結果として、目標調達額を大幅に上回る資金を調達できたので大変満足しています。


クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点

良かった点

  • 事業内容や、理念を多くの方に知ってもらえたこと
  • 短期間で多額の資金調達ができたこと
  • プロジェクトを通じて自社の現在地と今後の展望を再確認できたこと

苦労した点

  • 個人投資家の方に響くには、自社の事業の何をアピールすればよいかを試行錯誤したこと
  • わかりやすいプロジェクトが多い中、エスカレーター広告という珍しいビジネスモデルをいかにわかりやすく伝えるかに
    苦心したこと

今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス

短期間で資金調達できる分、十分な準備を

株式投資型クラウドファンディングは、短期間で多額の資金調達ができる分、準備が重要だと感じました。

プロジェクトページの掲載がスタートではありません。掲載の何カ月も前から準備を重ねてプロジェクトページを作成し、
掲載後はPRや拡散が重要です。

株式投資という性格上、現在扱っている商品・サービスだけでなく中長期的な事業計画も投資の判断材料になります。
取引先や、投資実績などのリスクヘッジの部分や、現実的かつ魅力的な事業計画を提示するのがよいと思います。