坂田 昌一郎 様のインタビュー
坂田 昌一郎 様
(UND Ventures株式会社)
耳から“脳をリセット”する技術。耳部温熱+AI活用の音響刺激で睡眠の質を向上させる!
(目標額:10,080,000円)
プロジェクトの概要

睡眠の質に課題を感じている人が急増
日本の働き手は慢性的ストレスと睡眠不足に直面しています。
学術機関などの推計では、気分の落ち込みや不眠などメンタル不調による
生産性損失は年間約7.6兆円に上り、国内GDPの約1.1%を占めることが
明らかになりました。
背景には世界最低水準の睡眠時間があると考えています。
日本人の平均睡眠時間は7時間22分とOECD加盟の33カ国中最下位です。
睡眠不足は集中力の低下や免疫力の減退を招き、企業にとっては欠勤・離職リスクの
増大、国家にとっては医療費や労働力減少といった課題に発展していると考えられます。
このような背景もあり、日本でも睡眠やストレス改善を目的としたデバイス需要が急増しています。
一方、現状のセルフケア用品の多くは、科学的根拠が限定的であることに加え、「常時装着している必要がある」「高単価で気軽に使えない」
などの利用者負担を抱えており、セルフケアが継続しないという課題もあります。
私は前職で米国製自動車部品の輸入販売事業を展開し、海外取引を含む幅広い事業経験を培いました。
その過程で別会社のM&A支援や事業再建の実務を担い、企業成長と危機管理の両面において知見を深めました。
その後、脳科学研究の最前線で活躍する人との出会いを機に、研究成果を社会に還元するプロジェクトを立ち上げることを決意、
UND Ventures株式会社を創業しました。現在、脳科学研究に基づき、耳に装着することで睡眠の質向上やストレス改善のために、
耳の温熱と音響を融合したウェアラブルデバイス「JIYAKU」を開発しています。
睡眠を支えるデバイスの開発に全力
耳には自律神経を始めとした多くの神経が集まっています。耳を「約40℃に温める」ことによる迷走神経の刺激と、
「α波誘導サウンド」による副交感神経活性化のWアプローチにより、深い睡眠への導入やストレス低減効果が期待できます。
α波誘導サウンドは専用アプリを通じて様々な音から選択できます。
この製品の強みは、慢性疼痛に関連する脳活動解析やニューロモデュレーション研究で多数の実績を持つCTOの阿部が監修しており、「ブレインテック×AI」の知見に基づき設計されている点です。
予備調査では、実際に自律神経バランスの安定化と前頭葉の脳波がリラックス状態へ変化したことを確認できました。
耳を温めながらα波誘導サウンドを流すことで副交感神経を優位に導く刺激プロトコルを構築しています。
製造面においては、中国のEMS企業との連携により、安定した量産体制の構築を目指しております。
主なターゲットは、ストレスや睡眠の質に課題を感じる20〜40代のビジネスパーソンや子育て世代を想定した製品を開発します。
まずは日常生活における活用を拡大させていきながら、心療内科や睡眠外来など各種医療機関への導入を計画しています。
また、価格は他社の指輪型デバイスや自律神経デバイスは4〜7万円が主流ですが、「JIYAKU」は2万円程度での販売を予定しております。科学的エビデンスを保持しつつ手頃な価格に抑えることで、幅広いユーザー層の需要を取り込み、量販店やクラウドファンディングでの拡散を狙います。
具体的には、クラウドファンディングによる認知拡大を起点に、2025年秋からオンラインマーケットプレイスで販売しています。
EC販売が一定の軌道に乗った段階で、大手家電量販店・雑貨店への導入交渉を本格化していきたいと考えています。
またフィットネスクラブ・スパやホテル向けにB2B販売も開始し、福利厚生やオフィスへの導入も積極的に進めます。
クラウドファンディングを利用した目的
本プロジェクトを通じて、女性の方の「寝れない、寝つきが悪い」という睡眠に関するニーズも想定以上に多いこともわかってきました。また、医療従事者の関心も高く、予防医療の面でも不眠が減ることによる効果を期待されていることがわかりました。
もちろんクラウドファンディングの目的は資金調達ですが、マーケティング的な側面もあります。
また出資して株主になってくれる方を大事に考えて恩返ししようと思うことや、多くの方の声を聞きながら事業計画を練っていくことが重要だと考えます。
それが結果的により多くの方に受け入れられる良い商品を開発できると思います。
支援を行った取扱ECF事業者に対する感想

募集開始後は、事業者のプロジェクトサイトを通じて、私たちのビジョンに心から共感してくれる熱い投資家の皆さんとつながることができました。
自分たちだけではリーチできない層への広報やアドバイスには非常に感謝しています。
しかし、多数の株主の期待に対する責任の重さを改めて実感しており、定期的な情報開示や関係維持に頑張りたいと思います。
ECF事業者の方は単なる資金調達の窓口ではなく、共に成長を目指す『パートナー』として力強い存在だと感じました。
クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点
良かった点
- 目標金額を大きく上回ったこと
- 事業に賛同していただき自信が深まったこと
苦労した点
- 融資より、準備する書類が多かったこと
- 株主への報告のために準備すること
今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス
株式型クラウドファンディングは、提案する事業を投資家に気に入ってもらえたら「ファン株主」として応援してもらえるため、
資金確保+αの価値を感じる仕組みだと思います。
また、投資家が集まった説明会で、自分の事業計画で「売上をどのくらい作る可能性があるか」を投資家にぶつけて評価をもらうのが
本質だと思います。
したがって、気軽に考えて挑戦できるものではありません。
ECF事業者の方も親切にフォローしてくれますが、プロジェクトサイトに掲載されるには、書類審査を通過する必要があります。
そして審査を通過して掲載されたプロジェクトでも目標金額を達成できないケースもあるようです。
事業計画を考える上で大切なことは、
「自社の事業がいくらの価値があるのか」ということを数字に置き換えて財務的なことを語れること、そして株主になってくれる方に
恩を返したいという気持ちがあることの2点だと思います。