佐々木 歩美 様のインタビュー
佐々木 歩美 様
(ゆうらホールディングス株式会社)
お客様の「これが欲しい」を商品化!
職人と消費者を直接つなぐ
プラットフォーム事業
(目標額:5,000,000円)
プロジェクトの概要

伝統的工芸品の流通に新しい流れ、生産者・消費者ともにwin-winに
起業のきっかけは、陶磁器メーカーの営業職に在職中にもの作りの優れた職人さんたちと接する機会が
多い中で、「なかなか東京の百貨店で商品が販売できない」というお話を耳にし、素晴らしい技術を持った職人さんたちの商品の販路開拓やマーケティング支援をすることで百貨店や海外でも販売できるよう
繋いでいけたらと思ったことです。
私たちは新しい仕組みとして、日本の伝統的工芸品を手掛ける職人さんと国内外の消費者を
D2C(消費者直接取引)で直接繋ぐ「匠ワンストップ」事業を行っています。
従来の伝統的工芸品の流通構造は、職人さんと販売店の間に「生産地の卸問屋」と「販売圏の卸問屋」の
複数の卸業者の仲介が入り百貨店などの小売店で販売されるため、販売価格に占める職人さんたちの利益率は低くなります。
一方、消費者にとっても伝統的工芸品は「高価で手に入れにくく購入機会が限られる高嶺の花」的なイメージがあります。
さらに、職人さんたちはどこに自分の商品が流通しているのか把握することが難しいため、職人・消費者それぞれの声がお互いに届きにくい
状況も生まれます。
このことから職人さんはお客様がどういう商品を求めているのか捉えづらく、お客様は「欲しい商品がない」という不満を抱えることが多いと思います。
このような問題を解決する為、弊社が職人さんたちとお客様の間に入ることで、手頃な価格での商品販売と職人さんたちの利益率向上を
目指しました。さらに、弊社がお客様からのニーズを汲み取って、職人さんに直接要望や意見を伝えて商品化することで、
生産者・消費者それぞれがwin-winの関係になる仕組みを構築しました。
お客様のニーズを直接商品化が強み!
私たちの一番の強みは、お客様の「これが欲しい」というニーズを汲み取って、直接職人さんに伝えて短期間で商品化しているところに
あります。
日頃、店頭に立っていると、「こういう湯吞みがあったらいいのに」とか「こんな感じのカップソーサーが欲しい」といったお客様の声を何度も耳にします。これらの声から、今、お客様が求めている消費者ニーズを把握することができるので、提携する90名以上の職人さんたちの中からベストな方に製作を依頼して商品化を進められます。その結果、需要の高い商品が生まれ、職人さんの利益率も向上し、
お客様も本当に欲しい商品を購入することができます。
コロナ禍をきっかけに百貨店での販売は一旦ストップしましたが、現在は、20代~30代の若い方にも伝統的工芸品を普段の生活でも
使って欲しいとの思いもあって、ECサイト運営だけでなく、コレド室町(東京・日本橋)をはじめ、ショッピングモールなどの実店舗4店で事業展開しています。
また、若い工芸品クリエイターの支援にも力を入れており、技術力が高いのにも拘わらずPRや商談が苦手な方に向けて、直接の支援や
弊社事業の紹介も行っています。
今後は、年々増加する伝統的工芸品のインバウンド需要を見据えて、2026年を目処に海外法人設立準備を進め、ルクセンブルクを拠点に、
EU圏を中心とした海外展開を計画しています。
クラウドファンディングを利用した目的
伝統的工芸品の良さをもっと知ってほしい
株式型クラウドファンディングを利用した一番の理由は、
「伝統的工芸品をより多くの方に認知してもらいたい」、
「お客様に実際に伝統的工芸品を直接触れていただきたい」という思いからです。
今回が3回目の資金調達になります。
クラウドファンディングを実施したことで、株主になっていただいた方が、実際に店舗やショールームに来て、
商品を手に取っていただき、製作の背景などをご案内することで、購入していただけることもあります。
お客様には今のトレンドを分かっていただきやすいですし、伝統的工芸品の良さを知ってもらえるきっかけにもつながっていると
実感しています。
支援を行った取扱ECF事業者に対する感想

いつでもアドバイスをくれる心強いサポーター
初めてクラウドファンディングに挑戦した時は本当にドキドキしながらのスタートでした。
そんな中で、事業者さんはプロジェクトページの作成や動画制作を手厚くサポートしてくださり、
事業計画の作成も一緒に取り組んでくださったので安心して進めていくことができました。
プロジェクト達成後も、ちょっとした疑問や、今後の進め方が分からないときに気軽に相談でき、
的確なアドバイスをすぐにいただけたので、とても心強かったです。
特に、プロジェクトページの作成では、事業者さんとお話ししていく中で事業内容をさらに深堀できたので、事業計画を作る上で新たな発見も多く今後に活かすことができました。
クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点
良かった点
- 伝統的工芸品を多くの方に知っていただくきっかけになったこと
- 株主様に実際にショールームにお越しいただき、直接お話ができたこと
- 今後につながる事業計画も一緒に作成できたこと
苦労した点
- 株主になっていただく為にSNS等で宣伝したこと
- 専門用語が多い業界なので、株主様に伝わる言い回しをすることに試行錯誤したこと
今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス
見る方に分かりやすいページ作りと達成後の誠実な事業の取り組み
株主になっていただく方に分かりやすいプロジェクトページ作りをすることが大切だと思いました。
事業内容の説明、事業の強みを明確に記載することはもちろん、商品展開の内容についてはオンラインで実物をお見せしながらの
説明会も行いつつ、SNSでの発信も積極的に行いました。
経営者やビジネスマンの方が多く見る媒体を選ぶなど、発信の場を工夫することの大切さを知ることができました。
あとは、将来の売上計画は高すぎず、達成可能な数値を掲げることにも気をつけました。
目標を達成することは大事ですが、資金調達の達成はゴールではなくその事業のスタートだと思います。
せっかく株主になってくださる方に安心感を持っていただき、「ここに投資してよかった」と感じてもらえるよう
事業をしっかり実行することが大切だと思います。