株式型クラウドファンディング(ECF)とは
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、プロジェクトを公開し、不特定多数の支援者(群衆:crowd)から資金調達(funding)をする手法です。
株式型クラウドファンディング(ECF)は、未上場の株式会社がWEBサイト上で株式等の募集を行い、多くの投資家から少額ずつ資金を
集めることができる仕組みです。
クラウドファンディングには株式型、購入型、寄付型など様々な類型がありますが、
株式型クラウドファンディングの最大の特徴は、出資の対価が「株式等」であることです。
株式型クラウドファンディングを活用するメリット
自社の株式等を発行し、新規事業等に必要となる資金(資本)や自社を応援する株主を獲得できます。
1応援してくれる株主の獲得
ファン株主は、単なる投資家にとどまらず、商品やサービスの購入、SNSでの情報拡散、口コミ・イベント参加など多様な形で事業を支えてくれる存在になります。
2資金調達の柔軟性
銀行融資と異なり、返済義務や期限がありません。中長期的な支援を受けやすく、事業の成長を優先しやすい仕組みです。
3将来の成長ステップへ
ECFの実施をきっかけに、売上拡大や他の資金調達手段への展開、IPO(株式上場)準備の加速に繋がった事例もあります。
株式型クラウドファンディング活用時の注意点
- ECFサイトに掲載したら資金が集まるのではなく、資金集めのためにベンチャー企業がプロジェクトを積極的に拡散する
必要があります。 - 目標金額に達しない場合に、資金調達できない可能性があります。
- ECFサイトに掲載するには、取扱ECF事業者の審査を通過する必要があります。
実施の流れと必要な準備
株式型クラウドファンディング(ECF)を実施する場合、一般的なステップは以下のようになります。
準備期間はおおよそ3~6か月が目安です。
ステップ1プラットフォームの選定
- 株式型クラウドファンディングを取り扱うプラットフォーム事業者から、自社に適したサービスを選びます。
料金体系、支援内容、投資家層などを比較検討します。
ステップ2事前相談・計画策定
- プラットフォームと打ち合わせを行い、ECFの目的や目標金額を明確にします。
- 事業計画書やピッチ資料の作成、資本政策(株価や発行株数)の設計を進めます。
ステップ3開示書類の準備と審査
- 金融商品取引法に基づき、投資家に対する情報開示資料(会社概要・リスク・資金使途など)を整備します。
- プラットフォームによる内部審査および外部専門家による法的確認を経て、募集の承認を得ます。
ステップ4募集ページの作成・公開準備
- プラットフォーム上にECF専用ページを開設し、画像・動画・文章を整えます。
- プレスリリースやSNS等による事前のプロモーションも開始します。
ステップ5募集開始(一般公開)
- 募集が開始されると、プラットフォーム上で投資家が出資申込と入金を行います。
- 募集期間は多くの場合1~2か月程度です。
ステップ6資金の受け取りと株式発行
- 募集終了後、目標金額に達した場合は資金が企業に送金されます。
- 企業は株式等を発行し、出資者に対して登記・証書の交付などを行います。
ステップ7事後フォローと報告
- 出資者(ファン株主)に対して、定期的な事業報告や成果共有を行います。
- 長期的な関係構築を通じて、口コミ・応援・リピート購入などの支援も期待できます。
募集にかかる費用について
- 掲載料・審査料(プラットフォームにより異なる)
- 成功報酬型の手数料(調達額に対する一定割合)など
※詳細は各プラットフォームへお問い合わせください。