Japan Venture Awards (JVA)とは
Japan Venture Awardsは、革新的かつ潜在成長力の高い事業や、社会的課題の解決に資する事業を行う、
志の高いベンチャー企業の経営者を称える表彰制度です。2000年以来、300名のベンチャー経営者等が受賞し、
それぞれの事業とともに日本を支えるリーダーへと成長を遂げています。
次なる日本のリーダーとして果敢に挑戦する起業家を、ロールモデルとして広く紹介することで、創業機運を高め、
日本における創業の促進を図ります。
開催内容
2021年3月1日に虎ノ門ヒルズにて「Japan Venture Awards 2021」の表彰式を開催しました。
当日は表彰式にあわせて起業家や起業に関心を持つ方々を対象にしたイベントを開催したほか、表彰式終了後に
受賞者とのオンラインマッチングを実施しました。
今回の表彰式は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、オンラインにて配信を行いましたが、
大変多くの方にご視聴いただき、大盛況のまま終えることができました。
当日のプログラム
第1部
パネルディスカッション
ニューノーマル時代の産官学連携によるグローバルベンチャー創出
ベンチャーを支援する側の各機関と支援される起業家がセットで登壇し、日本発のグローバルベンチャーを誕生
させるために何が必要なのか、それぞれの視点から 熱いトークを繰り広げました。
【パネルディスカッションの出演者】
国立研究開発法人
科学技術振興機構
BionicM株式会社
代表取締役社⻑
孫 ⼩軍 氏
国立研究開発法人 新エネルギー・
産業技術総合開発機構
マイクロ波化学株式会社
代表取締役社⻑CEO
吉野 巌 氏
独立行政法人
中小企業基盤整備機構
株式会社FLOSFIA
代表取締役社⻑
人羅 俊実 氏
モデレーター
Forbes JAPAN
Web編集部 編集⻑
谷本 有香 氏
証券会社、Bloomberg TVで金融経済アンカーを務めた後、2004年に米国でMBAを取得。その後、日経CNBCキャスター、
同社初の女性コメンテーターとして従事。これまでに、トニー・ブレア元英首相、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック、ハワード・シュルツ
スターバックス創業者はじめ、3,000人を超える世界のVIPにインタビューした実績あり。2016年2月より『フォーブスジャパン』に参画。
2020年6月1日より現職。その他、内閣府オープンイノベーション大賞選考委員、オープンイノベーションチャレンジ審査員も就任。
VC×投資先ピッチ
JVA2020ベンチャーキャピタリスト奨励賞を受賞した2名が、自身の投資先である企業経営者と登壇し、
協力して進めるビジネスモデルについてショートプレゼンを実施しました。
【VC×投資先ピッチの出演者】
ジャフコグループ
株式会社
プリンシパル
小沼 晴義 氏
SEQSENSE
株式会社
代表取締役
中村 壮一郎 氏
【小沼 晴義 氏のプロフィール】福島県会津若松市出身。92年成蹊大学卒業後、
ジャフコに入社し宮城県・山形県で有力起業家に対しエクイティファイナンス・IPOの啓蒙活動に邁進。98年からは東京でインターネット黎明期のスタートアップ企業に多数出資、03年からVC部門の投資チームを率い、バリューコマース、
マネーフォワード、Chat wor k等に初回投資からI POまで一貫した支援を行う。
現在は、投資先11社を担当し5社の社外取締役を兼務。
みやこキャピタル
株式会社
取締役 パートナー
三澤 宏之 氏
株式会社
エム・ティー・スリー
代表取締役社長
宮崎 年恭 氏
【三澤 宏之 氏のプロフィール】埼玉大学大学院修了、博士(理学)。
6年間の生命科学分野の研究者(大学教員)生活を経て、2002年VC(JAIC子会社インキュベーター)に転職、以降一貫してバイオ・ライフサイエンス分野の投資、
ファンド運営に携わる。2014年みやこキャピタルに参画し、現在に至る。
モデレーター
一般社団法人日本
ベンチャーキャピタル協会名誉会長
仮屋薗 聡一 氏
株式会社三和総合研究所での経営戦略コンサルティングを経て、1996年、株式会社グロービスのベンチャーキャピタル事業設立に参画。
1号ファンド、ファンドマネジャーを経て、1999年エイパックス・グロービス・パートナーズ設立よりパートナー就任。
2006年マネジング・パートナー(現代表パートナー)就任、現在に至る。2015年7月より一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会会長、
2019年7月より同協会名誉会長を務める。
JVA2021 受賞候補者ショートスピーチ
JVA2021ファイナリストにノミネートされた魅力あふれるベンチャー経営者を紹介しました。
表彰式終了後、マッチングラウンジで多くの方が交流されていました。
第2部
主催者挨拶
本表彰制度の主催である独立行政法人 中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志より、ご参加・ご協力いただいた皆様へのご挨拶を行いました。
表彰式
経済産業大臣賞や科学技術政策担当大臣賞など受賞者 13 名を発表しました。
中小企業庁長官賞 2 名、中小機構理事長賞 2 名、JVA 審査委員会特別賞 3 名、JVCA 特別奨励賞 1 名に加えて
ベンチャーキャピタリスト奨励賞 3 名の表彰も併せて行いました。
経済産業大臣賞を受賞した 林 要 氏
内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)賞を
受賞した 福田 恵一 氏
審査講評
JVA2021審査委員長 東出 浩教 氏より今回の表彰について講評をいただきました。
クロージング・キーノート
新時代のグローバルベンチャー
元Google⽇本法⼈代表取締役であり起業家でもある辻野⽒をお招きし、急激な世情の変化とともにニーズが
⾼度化・多様化する新しいビジネス界において求められるベンチャー企業像について、⾃⾝の経験に基づき
講演いただきました。
アレックス株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
辻野 晃一郎 氏
福岡県出身。84年に慶応義塾大学大学院を修了しソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院を修了。
VAIOやホームビデオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任。06年3月にソニーを退社。
翌年グーグルに入社しグーグル日本法人代表取締役社長を務める。10年4月にグーグルを退社しアレックス株式会社を創業、
同社代表取締役社長を務める。2017年8月より株式会社ウェザーニューズ社外取締役を兼任。
受賞者のご紹介
Japan Venture Awards 2021で受賞された全13名の受賞者の皆様をご紹介します。
経済産業大臣賞
GROOVE X 株式会社
代表取締役社長
林 要 氏
「ロボティクスで、人間のちからを引き出す」というミッションを掲げ、
人の愛するちからを育み生活に潤いをもたらす家族型ロボット“LOVOT”を製造販売しています。
受賞のポイント
コンパニオンロボットという新たな市場と産業を開拓しグローバルな成長を目指す取り組み、
グローバルマーケットを狙う日本発のスタートアップ輩出を図り、産業の新陳代謝を促進し日本を
元気にするというベンチャー企業経営者としての姿勢が高く評価された。
内閣府特命担当大臣
(科学技術政策担当)賞
Heartseed株式会社
代表取締役CEO
福田 恵一 氏
慶應医学部発の再生医療ベンチャーで、重症心不全の抜本的治療法を開発中。
iPS細胞から製造した高純度の心筋細胞塊を心臓に移植することで、心臓の収縮力改善を目指す。
受賞のポイント
世界の死因の第一位である心臓病、中でも重症心不全患者に対し心筋球を活用した再生医療による抜本的な根治手法を提供し、日本発の医療技術で世界に貢献することが期待される。また、大学教授兼ベンチャー経営者として、大学発ベンチャーの経営者のロールモデルとなることが高く評価された。
中小企業庁長官賞
株式会社RevCom
代表取締役
會田 武史 氏
「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る」を理念に、
AI × Voice × C loudを軸に電話営業を可視化する音声解析AI電話MiiTel提供。
受賞のポイント
テレワーク・リモートワークによる新たな働き方が浸透しつつある中、音声解析AI付IP電話を提供。営業担当者のセルフコーチングによる生産性向上を図り日本の中小企業・ベンチャー企業のDX推進・生産性の向上への貢献が期待されることが高く評価された。
中小企業庁長官賞
株式会社アルム
代表取締役社長
坂野 哲平 氏
医療・福祉アプリケーションの開発・提供。医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」は、
医療機器プログラムとして日本で初めて保険診療の適用が認められた。
受賞のポイント
専門医同士のコミュニケーションをサポートするアプリケーションを提供し、
世界22か国で医療ITインフラサービスを展開し、今後グローバルな成長が期待されること、
またシリアルアントレプレナーとしての自身の経験を起業に活かした経営者の取組が高く評価された。
中小機構理事長賞
株式会社オープンロジ
代表取締役社長 CEO
伊藤 秀嗣 氏
独自の倉庫管理システムを通じて提携倉庫をネットワーク化・物流業務の効率化と一元化を実現し、
固定費ゼロ・従量課金で利用可能な物流フルフィルメントサービスを提供。
受賞のポイント
荷主・物流会社をネットワーク化し、個別見積もり不要・従量課金で利用可能な物流フルフィルメントサービスを提供。また、経営者のこれまでの現場経験に基づくシステム化により、自社、荷主、倉庫会社の3方面への高い満足度と成長の両立を実現した点が高く評価された。
中小機構理事長賞
株式会社キャスター
代表取締役
中川 祥太 氏
日常業務から経理・採用・人事・営業などの専門職種まで幅広い業務を対応する
オンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ」をはじめとした人材事業運営。
受賞のポイント
フルリモートワークを導入するなど、職員それぞれに適した勤務環境を提供。
不稼働となっている労働力を掘り起こす事により、我が国の少子高齢化に伴う労働力不足に対する
ソリューションとなっている点が高く評価された。
JVA審査委員会特別賞
株式会社unerry
代表取締役CEO
内山 英俊 氏
GPS、ビーコンネットワーク、IoTセンサー等であらゆるリアル行動をデータ化。
月100億件超のビッグデータをAI解析し、小売流通・交通企業等のDXを支援。
受賞のポイント
IoTデータプラットフォームでモビリティやスマートシティ等の多様なサービスを大手企業と展開し、
今後の成長が見込まれる点、感染症防止対策という観点における人流可視化への貢献が
高く評価された。
JVA審査委員会特別賞
エレファンテック株式会社
代表取締役
清水 信哉 氏
プリンテッド・エレクトロニクス技術に基づいた、これまでより桁違いに小さな資源・環境負荷で
電子回路を製造する独自技術により自社での回路製造及び装置販売を行う。
受賞のポイント
環境負荷の高い電子回路製造プロセスを根本的に変える可能性を有した技術による電子回路の製造。
大手企業とのパートナーシップなど経営者の戦略的な事業展開、大学発の研究成果を事業化する
取組みが高く評価された。
JVA審査委員会特別賞
株式会社クラダシ
代表取締役社長
関藤 竜也 氏
クラダシは、社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム「KURADASHI」の
企画・開発・運営を行うことでフードロスの削減に取り組んでいます。
受賞のポイント
ECを通じてフードロスを削減するという高い社会性を有した事業を展開。
SDGsへの貢献と同時にこれまで収益化が難しいといわれていた領域での成長が見込まれる点が
高く評価された。
JVCA特別奨励賞
bitBiome株式会社
代表取締役社長CEO
藤岡 直 氏
微生物を対象としたシングルセルゲノム解析プラットフォームbit-MAP®を開発し、
微生物応用に向けた研究・開発を行う企業・アカデミアに提供しています。
受賞のポイント
世界初の微生物を対象のシングルセルゲノム解析技術の成長可能性、
有力VCのハンズオン支援を効果的に活用出来ており
今後も事業拡大が見込める点が評価された。
ベンチャーキャピタリスト奨励賞
株式会社
ファストトラックイニシアティブ
代表パートナー
安西 智宏 氏
ファンドマネージャー業務に加え、粘り強い経営支援に15年超の実績を有する。
米国ボストンにも事業展開し、日本発のテクノロジーを基盤としたメガベンチャーの育成を目指す。
また新型コロナウイルスや希少疾患の研究にプロボノでの支援活動を行っている。
受賞のポイント
個社支援に加えて、経産省「バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会」など、テック系ベンチャーへの投資活性化に対する取り組み、貢献を高く評価。
株式会社東京大学エッジキャピタル
パートナーズ(UTEC)
パートナー
井出 啓介 氏
気候変動や飢餓、健康など世界的な課題を起点として、先端技術を用いた解決策を起業家と共に構想し、解決策の事業化と事業を支える会社の成長支援を主にアーリーステージから行う。最善な解決策の構築を目的に、技術・人材ソーシングは国内外問わず活動。スタートアップ業界発展に必須なExit の多様化に注力。
受賞のポイント
2020年における代表的な上場企業の一つであるAI inside株式会社をはじめとする、大学の研究を基とした起業支援、大学発ベンチャーに対する経営支援を高く評価。
DCMベンチャーズ
General Partner /日本代表
本多 央輔 氏
既存投資先の経営・成長戦略に対する、
株主としての働きかけに尽力すると共に、今後も従来と変わらない投資方針(テクノロジーによる解決領域と市場の大きさ、
経営チームの実行力)を崩さず、
逆張りを意識した新規投資を継続して行っていく。
受賞のポイント
2020年における代表的な上場企業の一つであるfreee株式会社を務めるなど、数多くのベンチャー企業に対する組織構築の支援等を通じた成長への貢献を高く評価。