仙波 一昌 様のインタビュー

仙波 一昌 様のインタビュー内容

仙波 一昌 様
(株式会社成願)

タオルメーカーが手掛けた新境地

資金調達額
3,055,609
(目標額:200,000円)
支援者数
83

プロジェクトの概要

創業75年の新たな挑戦

当社は創業以来75年間タオルメーカーとして、タオルの製造を中心に行ってきました。

新型コロナウイルスの影響で販売先である百貨店・量販店の多くが休業または時短営業を実施したことにより、売上が大きく減少しました。それにより事業を見直すことを余儀なくされる中で新しい素材の商品づくりをスタートさせました。

今回のプロジェクトでは、家の中で快適に過ごすことができる麻100%のワンマイルウェアを製造・販売しました。ワンマイルウェアとは、自宅から “ワンマイル (約1.6km) 程度” のお出かけに最適な服装のことです。

当社で今まで扱っていた綿ではなく日本の伝統的な素材「麻」を使用しましたが、この麻は天然繊維で土にかえるため環境にも優しい
素材で、天然素材の中でも最も良感が感じられる素材です。

綿100%だと似ているものは多くあります。あえてタオルメーカーが麻100%で作ることで、意外性のあるプロジェクトになりました。

新しいビジネスモデルの構築

新型コロナウイルスが収束して、最初に皆さんが手をつけるのはお出かけしたい、旅行に行きたい、美味しいものが食べたいなど外側の部分だと思います。

当社は家庭用品のタオルを製造する会社ですが、今後の人々の動向を想定し、お客様のニーズに合わせていくのも役目だと思っています。

今まではタオル、バスタオル、フェイスタオル、タオル素材の寝具などを製造しており、身に着けるものは今回が初めてでしたが挑戦することにしました。

結果として、生地が織れる当社の強みを生かした新しいビジネスモデルをつくるきっかけになりました。


クラウドファンディングを利用した目的

新商品発表の場、ECサイトとも異なる

クラウドファンディングを利用したのは新商品を発表する場所が欲しかったからです。

クラウドファンディングを始めたのは、新型コロナウイルスが流行し始めた頃でした。その頃は新しい商品開発には力を入れていましたが、東京ビックサイトで開催される展示会や年2回業界内で開催される展示会が開催できず、開催しても人が来ない状態でした。
その影響でお客様に新しい商品を知ってもらうための機会が大きく減少し、今後に対しての不安が募る中でクラウドファンディングに巡り合いました。

通常のECサイトでの販売とは違い、商品を使った方の声がダイレクトに返ってくることも大きなポイントだと思います。
さらにお客様の期待度や関心度がみて分かるところも良いところだと思います。

またECサイトだと1つの商品に対してどこが安いか調べて買う方が多いと思いますが、クラウドファンディングでは必要以上の値下げをすることなく、この期間、この瞬間しか購入できないという限定感を持たせられるところにも惹かれました。


支援を行った取扱CF事業者に対する感想

専任キュレーターがいる安心感と親身なサポート

専任のキュレーターの方がサポートしてくれたため安心感がありました。初めてプロジェクトページを作成するにあたって、ページの訴求の仕方や、伝わりやすいコメントなど丁寧に指導いただきました。
それがプロジェクト成功に繋がった部分もあると思います。

また、注目プロジェクトに選ばれるとクラウドファンディング事業者が運営しているメディアへ掲載されたり、特集番組が組まれたりしてさらに露出する機会があります。当社にとっては露出の機会は重要だったので相談したところ、商品をよく理解したうえで「こういった切り口はどうですか」「今後こういった商品もやりましょう」と親身になってアドバイスをくれました。

プロジェクト公開までのスケジュールはタイトでしたが、アクションが早くかつ何が良くてどこを直したほうが良いのかもはっきり教えていただいたので助かりました。


クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点

良かった点

  • 今まではBtoBのビジネスだったが、BtoCのビジネスができたこと。
  • クラウドファンディングを契機に自社ECサイトを立ち上げようという社内の意欲が上がったこと。
  • 商品の改良点やお客様に良さを伝える方法・伝え方、写真の撮り方などを学ぶことができたこと。
  • キュレーターの方から消費者目線のアドバイスをいただけたこと。

苦労した点

  • 短い期間の中で次々とアイデアを出すのが大変だったこと。
  • 想定していなかったお客様からの質問への対応が大変だったこと。

今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス

試してみることが大切

同じものをすべての場所で売るのが難しくなってきているなか、クラウドファンディングは、新しい商品を出していくための1つのツールとして大いに活用できると思います。

ここ数年でクラウドファンディングの事業者も増えてきており、そのぶん会社の方針や販売する物・サービスによってどの事業者にお願いするか見極めることが大事だと思います。

最初は試しに色々な事業者でプロジェクトを実施してみて、その中で相性の良い事業者を見つけていくのが良いと思います。