元山 巧大 様のインタビュー
元山 巧大 様
(巧流合同会社)
“和紙100%”の服、着物屋が作る
抗菌効果のある服がファッションの常識を覆す【紙を着る】日本が誇る、ハイクラスな服
(目標額:300,000円)
プロジェクトの概要
2人で着物業界を変えていこう
今回「和紙100%の服」を作ることになったきっかけのひとつに、僕は職人なのですが、「和裁士」という着物を手縫いで作る国家資格を持っていて、弟は東京で美容師をしていました。
長崎の実家が祖父母の代から和裁学院と、呉服屋から注文を受けて着物を仕立てる仕立て屋をしていました。僕も3代目を継ぐ予定で高校を卒業後和裁士になるために修行に出たのですが、
僕が継ぐ前に実家が着物市場の大幅な業績悪化に伴い潰れてしまったのです。
父親からも和裁業界には戻ってくるなと言われてしまったので、一度全く別のことを始めました。そんな時に、実家の状況を知った弟と家業について色々話し会いました。
弟いわく「そもそも元山家は和裁業界では有名で業界を牽引している部分もあったので、元山家が業界から離れてしまったら
和裁士という職業がなくなってしまう。一緒に東京で新しい着物文化を作って新しい着物を発信して、和裁士を事業継続し易い職業にしたい、そのために一緒に東京で会社を手伝って欲しい」と言われ、上京して2人で会社を始めました。
父には着物業界に戻ることを反対されていたので何も言わず上京し、会社を始める前日に電話で知らせました。薄々気が付いていたみたいですが、今では手伝ってくれています。
洋服のように着物を着よう
クラウドファンディングは、以前普通の着物のプロジェクトをやったことがありました。
やってみて面白い結果がでたので、機会があればまたやろうと思っていました。
2回目の挑戦である今回は“着物屋が考える着物のための洋服”というコンセプトでやってみようと思いました。
僕らは“着物を洋服のように着ましょう”というスタイリングの仕方を提案していて、着物自体も洋服の生地を使ったりしています。
着物をファッショナブルに着ていこうという想いでスタイリストとして活動していた時に、自分たちで洋服を作ってしまった方が早いのではないかという思いに至りました。
しかし、服を作るなら生地からこだわりたいと言う思いもあり、なかなか進んでいませんでした。
そんな時、仲の良い墨田区の方が「和紙100%の生地を作ったよ」と教えてくれて「一緒になにかやらない?」と声をかけて頂いたのが、
今回の“和紙100%の洋服”のプロジェクトの始まりです。
今までも和紙の生地はあったのですが、20~30%しか和紙が使用されていなくても、和紙の生地と呼ばれていました。
しかし、今回の「和紙100%の生地」は今まで市場になかったものなので、今までにはない面白いものが出来るのではないかと
思いました。
クラウドファンディングを利用した目的
ひとつのストーリーを見て欲しい
僕らの商品は普通のアパレルとは少し違っていて、着物に合わせるための洋服です。
もちろん、単体で着てもおしゃれになるようなデザインで作っていますが、
普通の洋服とは少し違うコンセプトやストーリーがあります。
なぜこの洋服を作ったのかという、ひとつのストーリーをたくさんの方に見て欲しいと言う想いがありました。
普通のECサイトでその点を打ち出してもあまり見てもらえないと思いますが、クラウドファンディングであればプロジェクトページで、コンセプトや、ストーリーを載せることができ、たくさんの方に見てもらえるのでピッタリだなと思いました。
クラウドファンディングで支援してくださるのは、こだわりの強い方が多いイメージがあります。
商品の値段は高くとも、なぜその値段になるのかなど想いを知っていただけると思いました。
また、クラウドファンディングを利用することで実績が出来ると思ったのも理由の一つです。支援者が増えればその商品だけではなく、店や僕らの活動もたくさんの方に知っていただけると思いました。
支援を行った取扱CF事業者に対する感想
マクアケさんでやってよかった
マクアケさんの購入型を利用したのですが、僕らのプロジェクトにはピッタリでした。
プロジェクトページ作りは大変でしたが、作り込むことができたので満足しています。
担当の方とも週1回程度やり取りをしていて、赤ペン先生みたいに修正点をメールでお知らせしてくれたりしました。
元々自分たちで発信をしていたので、商品の見せ方や自分たちの見せ方を分かっていたので、写真を用意したりすることなどはあまり苦ではなかったです。また、クラウドファンディングで使った写真を自分のSNSでも使えたので助かりました。
クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点
良かった点
- 商品が売れた
- 在庫を持たなくていい
- テストマーケティングに役立つ
- 全国の方に認知度を高めることができた
- サイズ展開の参考になった
- 自分たちが届けきれない方へ届けることができた
苦労した点
- ページを作りこむのに苦労しました
今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス
単発で終わりではなく、その先に繋げていくことが大切
自分たちの想いをいかにプロジェクトページで伝えることが出来るかが重要だと思います。
普通のECサイトとは違い、こだわりやストーリーを載せることができるので、それに共感して応援してくださる方がその後のファンに繋がると思います。そのためには、出来る限りのことはすべてやった方がいいと思います。
プレスリリースや、広告など積極的に行うことで、どこで見つけてもらえるかわからないからです。
また、単発で終わらせるのはもったいないです。クラウドファンディングで知ってくれたお客様と長くお付き合いすることで、そこからさらにファンが広がっていったりします。
何となくでもいいので、クラウドファンディングを終えた先に何があるのかを考え、何に繋がるかを決めておいた方がいいと思います。