田渕 恵梨子 様のインタビュー
田渕 恵梨子 様
(NPO法人ジェンダーイコール)
「名もなき家事」に名をつけて、
シェアできるボードを作りたい!
(目標額:500,000円)
プロジェクトの概要
「家事育児は女性の仕事」という概念を変えたい
そもそも母親同士3名で、ジェンダーギャップのない社会をめざしていこうという活動をスタートしました。今、仕事を持つ女性がこんなに増えているのに、「男は仕事、女は家庭」みたいな旧来の概念がはびこっていて、それを解消したいと思ったのです。活動に賛同してくれる仲間も増え、またボランティアだけで終らせたくないという思いから、2017年8月に特定非営利活動法人化しました。
パートナーと一緒に家事を見える化
活動の流れで考えたのが、今回製作費用をクラウドファンディングで資金調達した「ハッピーシェアボード」です。ハッピーシェアボードは、「家事と育児の分担率」、「名もなき家事の認知」、「やりすぎ家事の再考」を“見える化”するツールとなります。
“名もなき家事”とは聞き慣れない人もいるかもしれませんが、ペットボトルのフィルムをはがす、子どもの爪を切る、通販の段ボールをつぶすなど、なかなか認知されにくいけど、誰かがやらなくてはいけないことです。これらをボードとシールを使って見える化し、パートナーとお互いが何をやっているかを見つめ直します。このハッピーシェアボードを広めるには資金が必要です。プロモーションしながら資金を調達する方法を模索していました。
クラウドファンディングを利用した目的
“広がり”と“共感”を求めてクラウドファンディングを選択
助成金の利用なども考えましたが、広がりを考えるとクラウドファンディングの方が早いなと考えました。多くの人に共感してもらえると思っていたのです。プロモーションしながら資金調達も行えるというのが魅力ですね。
ただ、クラウドファンディングの存在は知ってはいたものの、詳しいことは知りませんでした。そんな時、昨年11月に大きなNPO団体のイベントに参加したところ、今回お世話になったクラウドファンディング事業者さんがいらしていたのです。ブースでお話を聞くと、「二人三脚で寄り添ってくれる」ということを感じて決めさせてもらいました。
東京都の支援事業のお話は、事業者さん主催の達成者によるパーティに参加した際、その場にいた達成者の方何人かとのつながりで教えてもらいました。
支援を行った取扱CF事業者に対する感想
クラウドファンディングは経済的価値よりも「共感」が重要
事業者の担当キュレーターさんは全面的にバックアップしてくださり、「プロジェクト」「内容」「リターン(支援した人への見返り)」について、それぞれ一緒に考えていただきました。こちらがはじめてということもあり、居ていただいて安心でしたね。
担当キュレーターさんのアドバイスにもあったのですが、クラウドファンディングにおいては、経済的な価値よりも、「共感」という要素が支援を呼ぶのだなあと言うことを実感しました。ハッピーシェアボードだけでなく、直接お目にかかって語り合ったり、悩みをお聞きするというイベントにも、多くの申し込みをいただいたのはうれしい驚きでした。
クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点
良かった点
- マーケティングに役立った点。
- 本当の意味での反応(行動で示してもらえる)がわかった点
- 有識者とつながりができた点
苦労した点
- 新着記事の更新がなかなか大変だった点
今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス
「まずはやってみる」の精神で
なかなか達成しなくて苦しい思いをしました。クラウドファンディングって「もの」じゃなくて「ひと」に対して支援するものだということがわかってきました。なので、私たちも団体名を前面に出さず、もっと「個人としての思い」を前面に出せば良かったと思っています。
でも、クラウドファンディングを考えている人は「まずやりましょう」の精神でやってみるといいと思います。やってみたからこそ、いろんなことがわかってくるのですし、たとえ失敗しても、大きなリスクはありません。ただし、事前に「ファンづくり」の努力をしておいた方がいいでしょう。また、事業者さん選びも大切ですから、直接事業者さんに連絡を取って、顔を合わせて話をすることをおすすめします。
取扱CF事業者のコメント
メンバー皆さんとプロジェクト開始前に何度もお打ち合わせをさせていただき、ページの作り込み、伝えたいメッセージ、クラウドファンディングのプロジェクトを広めて行く作戦など細かにご相談させていただけたことが非常によかったと思っております。
プロジェクトがはじまってから想定通りに行かないこと、進捗が伸び悩む時もございましたが、メンバー皆さんの熱い想いと臨機応変な作戦変更により最後、目標金額達成への加速に繋がりました。
事業初期、スタートアップ段階でのクラウドファンディングは、これから応援者を増やして行くフェーズなので大変なことも多いのですが、最後はメンバーみなさんの熱意と共感の輪が、今回のような結果に繋がったと思います。