間瀬 英一郎 様のインタビュー
間瀬 英一郎 様
個人の「小さな商い」を
支援するツールをつくりたい
(目標額:200,000円)
プロジェクトの概要
「自分のお店」を持ちたい人のために何かできないか?がはじまり
多摩地域にある「国立」(くにたち)という町で、店舗からものづくりまで、さまざまな起業を支援する仕事に携わってきました。その中で、自分のお店を持ちたいという方が多いことに気がついたのです。ただ、それはとてもハードルが高いことで、少なくない投資も必要です。そんな人たちに向けて、持ち運びできる小さなお店というツールを提供できないかと考えました。
どこにでも持ち運べるモバイル店舗をつくる
もともとのアイデアを思いついたのは2013年頃です。
最初はリヤカー屋台のようなものを考えたのですが、大きすぎて運搬や置き場所に困ることに気がつきました。そこで、自動車などを使わなくても持ち運べるコンパクトなサイズのものができないかと試行錯誤しました。
そうして生まれたのがモバイル店舗「MyTempo」です。収納時にトランクサイズに変形する点が特長です。私自身は木工の素人でしたが、さまざまな方から有形・無形のアドバイスをいただき、ようやく2017年に完成形ができ、クラウドファンディングに出品しました。
クラウドファンディングを利用した目的
商品の適正価格を学ぶため
地域の起業支援に関わってきたので、クラウドファンディングのことは、以前からある程度知っていました。今回はとくに「プライシング」(最適な価格設定)のためにクラウドファンディングを利用しようと考えました。自分のお店を持ちたいという個人向けの商品ですので、どのような価格設定であればお客様に受け入れていただけるか、そこを見極めることが必要です。今回のクラウドファンディングでは、商品と価格の複数の組み合わせパターンを示して、お客様の反応をフィードバックすることで、最適な価格帯を把握することができました。
支援を行った取扱CF事業者に対する感想
顔が見える親切な対応をしていただきました
クラウドファンディングで成立した事例で、事業者と鉄道会社が組んで、多摩地域発のオリジナル商品を駅ナカで販売するというプロジェクトがありました。そのプロジェクトを知ってエントリーし、クラウドファンディングを利用することになりました。そこで、東京都の支援事業も知りました。
先方の担当者がかなり力を入れてくださり、普通はメールのやり取りが中心なのでしょうが、実際に顔を合わせる機会もあり、いろいろ相談にのっていただきました。クラウドファンディングについてのハウツー資料をご提供いただき、当方の起案内容についても丁寧に見ていただきました。順調に目標額を達成したこともあり、事業者の対応には満足し、感謝しております。
クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点
良かった点
- 顧客ニーズの存在を確認できた点
- 適正価格について把握できた点
苦労した点
- とくにありません
今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス
リアルでも支援者にアプローチする努力を
クラウドファンディングは、ただ「支援したい」「寄付したい」という人が利用する仕組みであることにとどまらず、新製品やユニークな商品を「いち早く買う」ために利用するチャネルの1つになりつつあるのではないでしょうか。そのような状況下では、オンラインだけでなく、リアルの場でも潜在的な購入者にアプローチをかけ、その人たちに共感と必要性を持って申し込みしていただけるように努力する必要があるでしょう。
ストーリーづくりが大切
クラウドファンディングの支援者にとって、そのプロジェクトが「自分に関わりがあるのかどうか」は、申し込みの意思決定において非常に大きな要因となります。プロジェクトを目にした方に「これは自分に関わりがあるな」と思わせる切り口とストーリーづくりが必要です。また、それを表現するコピーワーク(文章作成)も大切になります。アピールしたい製品やサービスがどういうシーンで使われるのか、写真などのビジュアルも大切ですね。
取扱CF事業者のコメント
モバイル店舗「MyTempo」は初めて見たときに「とても便利なツールだな」と思いました。
クラウドファンディング経験者だったこともあり、ページづくりもとても上手ではありましたが、クラウドファンディング運営者観点から何よりも事例として優れていると思ったのは以下の点です。
① 目的が明確だったこと
② 事前に周囲に告知していたこと
③ 支援者へのフォローアップ
いずれもクラウドファンディング「基本のキ」の部分なのですが、やはりそれをしっかり行うことが成立するプロジェクトの特徴なのだと再確認できました。