味香 興郎 様のインタビュー

味香 興郎 様のインタビュー内容

味香 興郎 様
(まちサロンおきやんち)

90歳が、まちサロンで
第三の人生に挑戦

資金調達額
3,310,000
(目標額:2,000,000円)
支援者数
206

プロジェクトの概要

誰もが寄り添える場所をこの町につくりたい

生まれは小さな村でした。ご近所付き合いが盛んで、冠婚葬祭のイベントには近所のみんなが参加して協力する、そんな村だったものですから、私の結婚式もお祭り騒ぎが3日間続きました。
それほどご近所の皆さんとの関わりは深く、どんな時も協力して生活をしていました。

仕事の都合で家族とともに杉並区阿佐ヶ谷に移り住み、住み続けて40年。
旧道沿いの近隣商店街には古き良きお店から若い人が営むお店までが立ち並び、賑やかな町になっています。しかし一方では危機感も持っていました。町内会に顔を出すと、誰もが新しく引っ越してきた人のことを殆どなにも知らないのです。最近は家の表札も出しません。誰が住んでいるのかわからない、ご近所のつながりが感じられない町になっています。

この状況で首都直下型地震が起こったら住民同士が助け合うことは難しいのではないか、このままでは駄目だと思っていました。
そこで自分の力で誰もが寄り添える場所を作り、この町を変えようと決意したのです。
そして自家所有の倉庫を「まちサロン」として町のみんなが寄り添える場所にすることにしました。
他の区に開設されているまちサロンを見学して、老若男女が集まる温かい空間…まさに私が思い描いている近所付き合いの姿を目にしたことが大きかったのです。

私の90歳の誕生日を期して「おきやんち」をオープンすると決意した次第です。

私にとっては産業人としての第一の人生を65歳で終え、コンサルタントとしての第二の人生を89歳で終え、
90歳での第三の人生への船出でした。


クラウドファンディングを利用した目的

耐震・防音などの内装工事費を支援してもらうため

まず一番大きかったのは、クラウドファンディングは寺子屋の存在をアピールするとともに資金も募れることです。

倉庫をサロンへ改装するために地元の工務店に見積もってもらったところ、多額の費用がかかることがわかりました。
築50年以上の古い家屋でしたので、耐震工事・防音工事と様々に手を入れなければならなかったのです。

高齢の私にとっては今後の生活を考えるとすべて自己負担は難しい、
そんな状況のなかでクラウドファンディングを利用して改装費用の支援を得ることにしました。

クラウドファンディングの存在は以前から知っており、プロジェクトを通してこれまで築いてきた人脈や町の方からの協力を得られるのではないかと思いました。

実際に地元の方からも支援をいただき、いままで感じられなかった地元のつながりを再認識する機会にもなりました。
本当に皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。


支援を行った取扱CF事業者に対する感想

親身で効果的なアドバイスで助かった

90歳の私にはプロジェクトページをつくるのは荷が重いことでした。
公開されている成功事例をもとに見様見真似で作っていましたが、それでは分からないこともありました。

そんな時は事業者の方に質問をすれば、すぐに親身に答えていただいたのでとても助かりました。
また、クラウドファンディングは「最初の5日間が勝負である」と教わりました。

アドバイス通りプロジェクトが始まる前に、事前準備や知人・縁者へ支援を要請したことで良いスタートをきることができました。

おかげでプロジェクトページには、毎日たくさんの支援とともに応援コメントが届き、その内容を見て「支援者の方のためにも生半可に終わらせてはならない」と責任感を強く感じモチベーションになりました。


クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点

良かった点

  • まちサロンを開設することが事前に広まりPR効果がありました。
  • 地域の人はもちろん、北海道から沖縄まで全国の方からの応援コメントが励みになりました。
  • 支援者の思いも背負って責任感を持って活動ができました。

苦労した点

  • プロジェクトページを作成すること。
  • 毎日届くコメントに回答すること。
  • リターンの連絡・調整が中々スムーズに行かないこと。

今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス

協力を得ながら年齢に囚われない挑戦を

高齢者にとってインターネットを使っての活動はやはり難しいものがあります。
自分ひとりで頑張ろうとはせず、ITに強い方や若い方にご協力いただいた方が良いと思います。
私も娘や以前から親交のあった方にご協力をいただき、毎日が勉強の日々でしたがその甲斐があって成功することができました。

クラウドファンディングは目的をきちんと持って活動を始め、支援者からの共感を得ることで成功できるものです。
ITが苦手であっても高齢であっても、周りの方の協力をいただきながら最後まで責任をもってやり遂げることが大切です。

私のような高齢者で志はあるけれど、資金の面で何かに挑戦するのは難しいと感じている方でも、
年齢に囚われずにぜひ利用していただき世の中を良くしていってほしいと思います。