岡村 智洋 様のインタビュー

【R/E SIDE】岡村 智洋 様のインタビュー内容

岡村 智洋 様
(R/E SIDE)

“小さくてもメインウォレット”使い勝手を重視したこれからの三つ折りレザーウォレット!

資金調達額
2,754,480
(目標額:200,000円)
支援者数
252

プロジェクトの概要

キャッシュレス化の波に合わせてコンパクトなメインウォレットを!

今回のプロジェクトは、昨年の6月に行ったもので、丁度10月に消費増税があり、お財布がどんどんコンパクトになっていく、キャッシュレス化の波が来ている時期に出した商品です。ポイントとしては、コンパクトでありながらも収納力は最大限に大きくし、メインウォレットとして十分に使える様にしたところです。

タイトルが“小さくてもメインウォレット”なのですが、まさにコンパクトでありながら収納力はメイン財布並みである、という商品です。僕は、機能性を一番重視してモノづくりをしてますが、現代の様にライフスタイルがどんどん変化していく中で、必要なモノは何だろうと柔軟な考えで研究しながら商品開発を行っています。

例えばこれまでのブランドやメーカーさんが「こういうモノ作りました。どうですか?」と言った能動的な物作りがメインだったのに対して、僕の特徴でもあるんですけど、“必要なもの”をとにかく研究し、それに対して、「じゃ、こういったものを作ろう。」と受動的な商品計画をしています。物が溢れかえっている時代でも売れる物、それはずばり、「人々が必要としている物」なんですね。それが何かを追求しながら開発を行う。これはジャンル問わずこれからの物作り分野において欠かせない事だと考えております。

今回は、小さい財布が求められている。でもそれに伴って物が入らなくなるのではなく、十分に収納の出来るコンパクトなお財布が求められているだろう、という分析の元、商品開発を行いました。

小さくても収納力が欲しい

小さいお財布が求められていると言っても、これは日本の特徴だと思うんですけど、急に生活スタイルの変化はしないんです。

例えば、「カードが1枚しか入らない、小銭も入らないで、よりコンパクトなモノを作りました」ってそれでいいのかといったらダメなんですね。よりコンパクトにしながらも日本のライフスタイルに合わせてしっかり物が入る、というモノを作る事が最大のポイントでした。

使い勝手にこだわる理由としては、見た目がかわいいとか、おしゃれだとかっていう主観的な事に対して、機能性というのは客観的で、大半の人に共通する事なんですよね。ブランドとして物作りをしていく上で、より多くの人に受け入れられたいという思いから、最重要ポイントとして機能性を重視した物作りを行ってます。

今回の商品では、コンパクト財布にしては珍しい、お札を2か所に分けられる間仕切りを付けた事、さらにはその間仕切りにカードポケットをつけられて、カードが全部で8枚収納できるようにしました。そしてお札は折らないで収納可能。小銭入れは外側に付けることで、小銭を入れたい人が活用出来、小銭を入れないという人は、それはそれですっきり持てると、出来るだけ多くの人のライフスタイルに合う様な設計を考えてます。

鍵を付けたい人には取り外し可能なキーリングも付いているので、コンパクトでありながらオールインワンのメイン財布として使えるのです。

そしてもう1つ重視している事、それは「適正価格」という事です。

上質なレザーを使ってクオリティーの高い日本の工場で生産しているのですが、一般的に知られているブランドさんに比べて安くなっていると思います。

それには理由があって、上代の設定をする際、資材代と純加工賃のみで原価を構成して、その原価に基づいて上代の設定している為です。つまり、物を販売する際に必要になってくる広告宣伝費や人件費といった必要経費を物の原価としては入れ込まず、純粋な物の価値のみを原価として上代を設定する事で適正価格を実現しているのです。

クラウドファンディングを活用する事で広告宣伝効果を得る事が出来、可能な限りは私一人で行う事で余分な人件費も掛からない様にしています。

作り手と売り手の双方が満足できる様な仕組みを作り、良い商品を提供し続けていきたいと思っています。


クラウドファンディングを利用した目的

利用した目的は2つ!

クラウドファンディングを利用した目的には2つあって、1つは「資金調達」です。

私の様に、小規模でやっているブランド・メーカーにとって工場生産での最低ロット(一般的には100個前後)を、全部が全部在庫をもつとなると結構なリスクになります。1品番、2品番作った時点でほとんど売れなかったりするとお金が回らなくなり、新しい商品開発が出来なくなる。そんな悪循環があるんですよね。

そういうリスクを極力減らすために先に注文を頂いてから量産化する、という形でクラウドファンディングを活用しています。

クラウドファンディングって個人に向けた展示会だと思っているんですけど、仮に50人の支援者が付いたとして、支援者が付かない状態で100個在庫するのと、50個先に注文が付いた状態で量産化するのとでは大きな違いで、それだけでブランド運営に明暗が分かれるはずです。

だから私の場合、新商品を出す度にクラウドファンディングを活用しています。

2つ目は「テストマーケティング」です。

毎回クラウドファンディングを行う中で、当然あまり注文の取れない商品というものも出てきます。その場合は商品化をしない、もしくはどこかを改善して再度挑戦する、などといった使い方をしています。


支援を行った取扱CF事業者に対する感想

たくさんのクラウドファンディング事業者を利用しました

クラウドファンディングサイトの運営事業者は沢山ありますが、今までにいくつものクラウドファンディングサイトに出品をしてみました。

その中で今では、大半はマクアケさんに絞っています。単純に1番反応が良いからですね。

他のクラウドファンディングサイトへもたまに出品していますが、結果、プロダクトの分野はマクアケさんが強いと思いました。あくまでも繰り返しやってみての感想です。

商品をより良く見せる事が出来て商品の魅力をきちんと伝える事が出来れば、それ相応の反応が返ってくる、という感想です。クラウドファンディングサイトにもそれぞれ特性があると思っていて、マクアケさんっていうとモノに強いイメージがあって、その点で僕の商品はマクアケさんにあっているのかなと思っています。

あと、これはあくまでも今後の希望なんですが、クラウドファンディングってどうしても単発的になってしまうので、プロジェクト終了後もその商品に相応しい販路をメーカーさんと一緒に開拓出来る様な何か、があればもっと良いなと思っています。

数多くあるクラウドファンディングサイトも今後淘汰されていくと思いますが、本当にメーカーさんと一緒になって新しい物作りを応援していく様な仕組み作りが今後の鍵になるのではないですかね。


クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点

良かった点

  • 商品リスクを軽減できる点
  • 利益分の範囲内で在庫を持つ事で、ノーリスクで商品展開ができる点

苦労した点

  • ページの構成、商品の見せ方、写真の撮り方、ネーミングの付け方など、どうすれば1番商品の魅力が伝わるのかを考える事

今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス

1回出品しただけで失敗してもあきらめないこと

1回出品しただけで失敗しても諦めないことですね。

その商品によって向き不向きのサイトってあるんです。マクアケさんに出して全然支援者が付かなかったとしても、他のクラウドファンディングサイトに出したら支援者がつくなど、その商品によって色んな可能性があるので、1回出して失敗したからと言ってやめてしまうのはもったいないと思います。

なぜ違いが出るのかというと、単純にサイトを見ている方が違うからです。実店舗に置き換えてみても、百貨店や量販店、ショッピングモールなどなど、いろんな業態があってそれぞれお客さんも異なりますよね。それと全く一緒です。その辺りの特徴を自分なりに分析し、いろいろ試してみると良いと思います。やっているうちに各サイトの特徴なども分かってくるので、試して結果を検証し改善していく。その繰り返しですかね。

あと、写真の撮り方や文章の構成など、見ている人の立場に立って考えられるかどうか、その商品を使った時の情景が具体的に思い浮かべられるかどうかが大切です。クラウドファンディングだけの話ではないと思いますが、物売りする人には絶対必要な能力だと思うんです。商品をより魅力的に見せるにはどうしたら良いか、写真や文章だけで見ている人にどれだけ共感してもらえるか、これは商売全般で必要不可欠な能力だと思っています。

クラウドファンディングを通してこういった技術を身につけ、その後の販路を築いていければ良いですよね。