中本 徹 様のインタビュー
中本 徹 様
(株式会社スイミージャパン)
「海中熟成」でワインは美味しくなるのか?東京湾で証明して地元深川の名物にしたい
(目標額:300,000円)
プロジェクトの概要
東京海洋大学との共同検証プロジェクト
わたしたちは「コトづくりワイナリー」をめざしています。ワイン作りにきちんと向き合うことはもちろん、なかなか出会えない「コト」に、ワインを通して出会っていただきたいと願って「深川ワイナリー東京」などの事業を展開しています。
沈没船を引き上げると、そこに積んでいたワインが高値で売れたという話があります。海中でワインが熟成するということが本当にあるのでしょうか?「海中熟成」でワインが美味しくなることが科学的に分析できたら、東京湾で熟成させたワインが地元深川の名物になるのではないかと考えました。
そんな時、東京海洋大学様とのご縁ができ、「江戸前ワイン! 海中熟成ワインの味わいの変化を検証プロジェクト」として共同研究を実施することになりました。昨年6月から約一ヶ月程度ボトルを東京湾に沈め引き上げたところ、飲むことに問題のない状態でした。さらに飲み比べのセレモニーでは参加者全員から「味が違う!」「まろやかになった気がする」という感想が寄せられました。
そこで今回海にワインをもう少し長い期間沈め、引き上げて地上熟成のワインと味を比べたい、そして科学的な成分分析を行うという検証プロジェクトを実施したいと考えたのです。
クラウドファンディングを利用した目的
ファン作りに最適、プロジェクトを通じての人材育成も
クラウドファンディングをよく利用する方は、新しいものが好きだということもあるでしょうが、「何かを支援してあげたいけど、自分ひとりだけではできない。志を持った人たちをどうやって応援していこうか?」という善意の人たちが集まっていると思います。
今回クラウドファンディングに踏み切ったのは資金調達もありますが、そんな人たちに呼びかけて「ファン作り」、そして「ファンの予備軍づくり」をしたかったからです。しっかりとしたファンを増やしていき、組織化して、みんなで新しい「コトづくり」をしていきたいのです。そのための認知拡大活動のひとつとしてクラウドファンディングを利用しました。
また、「人材育成」の目的もありました。弊社が成長するために、わたしの個人商店から会社組織に変わっていく時期だと考えていました。そこで、担当者にこのクラウドファンディングの運営をまかせました。クラウドファンディングを通じて、わたしがいつも社員に言っている「この会社がなぜ世の中に存在しているのか」ということを、自分で悩み、考えて、文字化していくという経験を積んでもらいたいと思ったのです。そして、一定の成果を上げたと感じています。
今回のクラウドファンディング事業者はメインバンクを通じて紹介してもらいました。そして事業者から、東京都のクラウドファンディング支援事業を教えてもらい、スタッフが申請しました。
支援を行った取扱CF事業者に対する感想
初動一週間が勝負というアドバイスが役立った
今回のクラウドファンディング事業者は規模が大きく、色んなツールやデータをお持ちだと感じます。お酒や食品などのジャンルに強いようで、そういった嗜好のお客さまをたくさん抱えていらっしゃるので、今回のクラウドファンディングには最適だったと思います。
また、キュレーターからは、ページの作り方やリターンの値付けなどについて、弊社の担当に適宜アドバイスをいただけました。とくに「初動一週間が勝負です」と言われ、こちらも立ち上がりには留意して、結果、初動もうまくいって達成が見えました。事業者には何の不満もないです。
しかし、達成できたのはよかったですが、本音を言うと、「もっと行けたんじゃないか」という気持ちが自分の中にあります。それは事業者のせいではなく、わたしたちの打ち出し方がもうひとつだったせいで、反省点として次回、機会があれば生かしたいと思います。
クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点
良かった点
- ファン作りに寄与した点
- コンテンツを作る中で社員が勉強になった点
苦労した点
- (担当者が)文章や写真等といったページの作り込みを工夫した点
今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス
自分たちでメディアに取り上げられるよう工夫すること
弊社はメディア連動が得意なので、メディアの取材などいろいろ仕込みました。これからクラウドファンディングに挑戦しようかという方たちも、プロモーションを事業者まかせにするのではなく、自分たちでマスコミなどに情報発信してみてはいかがでしょうか。とくに初動の一週間ですね。
事業者のサイトのトップ画面にどれだけ表示されるかというところも大事です。初動が悪いと、位置が下がりかねません。その対策として、わたしたちはプレスリリースを発信したり、メディアへの報告を定期的に行ったり常に発信し続けました。メディアで紹介されると「数字が跳ねる」ことを意識し、自分たちで何らかの工夫をした方がいいと思いますね。
実験用ワインは12月下旬に沈めました。海中熟成がワインにどのような味の変化を与えるのか、検証結果にご期待ください!
取扱CF事業者のコメント
東京海洋大学の中にあるオフィスへ初めてお伺いしたときに、オフィスに詰まれているワイン箱の中でみなさまがお仕事されている姿が印象的でした。ただ、おいしいものを届けるだけでなく、参加・体験型の「コト創りワイナリー」を目指しているというお話を社長を含めたプロジェクトメンバーの皆様からお話を伺い、クラウドファンディングMakuakeをご一緒できとても嬉しく思っています。
プロジェクトのご相談をいただいてから、ターゲティングの精査やメッセージの打ち出し方など何度もやりとりさせていただきました。設定いただいた目標は早々に達成することができましたが、想定通りにいかないこともあり、苦戦したタイミングもありました。そこでも弊社からのご提案を積極的に採用いただいき、支援者を増やすことができました。
「コト創りワイナリー」として、これからも新しいプロジェクトに様々取り組んで行かれるかと思います。引き続き、アタラシイ挑戦をMakuakeとしてご一緒できる日を楽しみにお待ちしております!