鈴木 光 様のインタビュー
鈴木 光 様
(VERTERE合同会社)
奥多摩に醸造所併設のグロウラーショップを開きクラフトビールの持ち帰りを根付かせたい
(目標額:2,000,000円)
プロジェクトの概要
奥多摩へ自動車で来ることが多い観光客にクラフトビールの「持ち帰り」を広めたい
VERTERE(バテレ) は2015年奥多摩町にオープンしたクラフトビール醸造所です。奥多摩にはたくさんの観光客がいらっしゃいます。併設するカフェでもビールを提供していましたが、自動車で来られる方が多く、そんなお客様にビールを提供するわけにはいきません。
「もっと多くの方にVERTEREのビールを楽しんでもらえないだろうか」。そう考えた時一つのアイデアが浮かびました。欧米では一般的な「グロウラー」(ビールを量り売りしてビール専用の水筒でお持ち帰りいただく)というビールのお持ち帰りシステムがあります。これを奥多摩で根付かせられないかと思いついたのです。そうすれば車を利用したお客様との関係が構築できますし、奥多摩土産にも好適です。奥多摩町に「醸造所併設のグロウラーショップ」を開きたいと決意しました。
クラウドファンディングを利用した目的
内装・設備工事の費用を支援してもらうため
「醸造所併設のグロウラーショップ」を実現するためには、醸造設備の新調、グロウラーショップの内装や設備の工事などに多くの費用がかかります。奥多摩町の制度や信用金庫のおかげで、醸造設備については資金の目処がつきましたが、ショップの内装費用とビール提供のための設備については、クラウドファンディングで支援してもらおうと思いました。
東京都のクラウドファンディングを活用した資金調達支援の制度については、ニュースで知り、「そのうちクラウドファンディングを行う時は利用したいなあ」と頭の片隅にあったのです。
今回のクラウドファンディング事業者については、取引先が利用して「とても良かった」と聞き、調べてみると都の選定したクラウドファンディング事業者であることがわかり、すぐに相談、面会して決めさせていただきました。
支援を行った取扱CF事業者に対する感想
代表者がわざわざお店に来てアドバイスをしてくれた
クラウドファンディング事業者代表が対応してくれて、説明もわかりやすく、クラウドファンディング実施期間中もお店に来てアドバイスをくれるなど、親身に対応していただきました。
また、Webサイトの告知だけでなく、お店でも「クラウドファンディングに挑戦しています」というような告知をしたらどうかなどアドバイスをいただき、さっそく取り入れました。
途中で別の担当に変わられた後もよくして頂き、事業者の対応には満足しております。
募集も大詰めの頃には、代表をはじめとして事業者からは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の告知や、メニューにQRコードを入れてお客さんがアクセスしやすいようにするなど広報宣伝方法について支援を受け、ようやく達成にこぎつけることができました。そこについても、とても感謝しております。
クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点
良かった点
- 広報宣伝に役だった点
- 支援を通じてお客様同士のつながりが生まれた点
- 資金調達に成功した点
苦労した点
- 設備の一部が輸入だったためその到着にハラハラした点(達成したのに「遅れます」というのは避けたかった)
- 途中の新着情報など文章作成が大変だった点
今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス
リターンを返して終わりではなく継続的に店に来てもらう仕掛け
クラウドファンディングでは、「製品」を作るようなものと、「店」を作るようなものがあると思います。「製品」の場合は、成立したら送れば一区切りになるのでしょうが、私たちのような「店」の場合は、お店に来てもらうためのリターンを考えなくてはいけません。また、来ていただいておしまいなのではなく、継続的に来てもらうこと。つまり、リターンと来ていただいてリピートしてもらう仕掛けが大事なのでしょうね。
また、「店」の場合は、来ていただける地域の方がどうしても限定されてしまいます。クラウドファンディングを実施する前に、「店」を中心とした地域にどれぐらい支援してくれる方がいるのか、大まかでもいいから事前にリサーチした方がいいのではないでしょうか。そして、人数が試算できたら、目標金額とすりあわせて、現実的な支援金額を決めることだと思います。
せっかくクラウドファンディングが成立したのに、支援者にリターンをお返しし、事業者に手数料を支払うと、手元にあまりお金が残らないということもあるでしょう。今回、東京都の資金調達支援はほんとうに助かったので、都内でクラウドファンディングを実施しようとする人は、ぜひ制度を利用したらいいのではないでしょうか。
取扱CF事業者のコメント
奥多摩町にあるクラフトビール醸造所『VERTERE』。
2014年、20代の若者2人によって創業された奥多摩町にある小さな醸造所併設パブです。築70年の古民家を8ヶ月間DIYして2015年にオープンしました。
それ以来、多くのアウトドアファンや観光客が足を運んできました。
しかし土地柄、車移動の方も多いため、『VERTERE』を運営する鈴木さんは、ビールの量り売りを専門とするグロウラーショップをオープンさせる事を決意され、その費用をMOTIONGALLERYで集めました。
これまでのお店のファンの方々から、これからファンになるであろう人まで、163名もの多くの人から応援が集まり無事目標金額を達成しましたが、その背景にはアメリカ・ポートランドを端緒に広がりつつある『クラフトビール』という新しいライフスタイルに対する注目と、奥多摩という場所を再発見する喜びを『VERTERE』のクラウドファンディングが喚起した事も大きいと考えています。
新しいクリエイティビティが地域を盛り上げる、まさに東京都の資金調達支援事業の素晴らしい事例になるプロジェクトだと思っています。