須藤 宰 様のインタビュー

須藤 宰 様のインタビュー内容

須藤 宰 様
(ホワイトローズ株式会社)

クラウドファンディングの力をかりて新製品を開発

資金調達額
10,366,400
(目標額:500,000円)
支援者数
1,020

プロジェクトの概要

国内唯一のビニール傘メーカー!製品のストーリーを伝えたい

ホワイトローズ株式会社は、ビニール傘を開発してから約65年、創業301年目の老舗製造業の会社です。一般的にコンビニ等で売られているビニール傘は海外から安価に輸入されているものですが、そういったビニール傘ではなく、オシャレで丈夫な高級傘を製造している、国内で唯一のビニール傘を作っている会社です。

一般的に販売されている安価なビニール傘ではなく高価格帯のビニール傘を販売するには、お客様に対して商品が作られる背景や機能のこだわりなどのストーリーを説明する必要があります。例えば、「颯爽と出かけるお洒落な男性にふさわしい高級感のあるワンタッチビニール傘」、「雨の日が楽しみになる、天然木の手元を持てば実感します!軽くて丈夫・強風にも負けない、信頼できる傘」といったメッセージが大事です。

クラウドファンディングサイトには、製品への思いなどを記載することができるスペースがたくさんあり、最近では、動画でのメッセージも掲載できるため、ストーリーを発信しやすいです。 既に販売している製品ではなく、これから開発する製品に対してご支援や応援をいただくために、メンズのワンタッチジャンプ傘のプロジェクトを実施いたしました。


クラウドファンディングを利用した目的

ダイレクトな意見が製品開発の参考に!

新しい製品を販売するときには、マーケティングリサーチをして市場に出すのが一般的です。ただし、特殊な製品を市場に出す場合、
予測できるデータが少ないことがほとんどです。結局は、百貨店などバイヤーの方から意見を聞くことになり、そのような方から聞くと、どうしても価格メインで話をされ、売れる価格での話からスタートされることが多くなります。

しかし、作り手側は、価格ありきではなく製品ありきで進めていきたい気持ちが強いものです。新製品を世の中に出そうとした時に、
クラウドファンディングを活用することで、実際にお使いになるお客様がどう思ってくださるのかをダイレクトに感じることができ、
市場調査という意味では、クラウドファンディングは非常に有効な手段になると思います。

また、中小企業では、資金不足で新しいことにチャレンジできない企業もあるので、東京都の取組でクラウドファンディングの利用手数料を助成してくれることは、非常にありがたいことだと思いました。


支援を行った取扱CF事業者に対する感想

ものづくり分野が得意な専門家で、アドバイスが助かりました

多くのクラウドファンディング事業者の中で、ものづくり分野が得意な「マクアケ」さんでプロジェクトを実施しました。

マクアケさんを選んだ理由の一つに、支援者の方の約7割が男性ということがあります。

百貨店などもメンズ館などがあるのはごく一部で、男性向けの製品を販売するのは、非常に難しい現状があります。「これは男性向け商材として売れるのではないか」と思うものをテスト販売したり、意見を聞いたりする場が少ないのが現状です。そういった時に、マクアケさんは男性支援者が多いため、男性向け商材のテストマーケティングには最適だと思いました。

プロジェクト成功に向け、作り手側としては、思いを伝えるコメントが多くなってしまう中で、マクアケさんからは、「ここは製品自体をわかりやすく説明してください」、「ここは作り手の思いより製品をクローズアップした説明が良いと思います」など、支援者の目線から客観的にアドバイスをしていただきました。

作り手としては、まず思いを全面に打ち出したい気持ちはありましたが、専門家の意見を聞いたことで、結果的にプロジェクトが大成功したので、マクアケさんのアドバイスに添うようにアレンジして良かったと思いました。


クラウドファンディングを利用して、良かった点・苦労した点

良かった点

  • 集客力のある大きなプラットフォームでPRができたこと
  • 新しい商材のテストマーケティングができたこと
  • プロジェクト成功に向けて、専門家の立場から客観的なアドバイスをしてくれたこと

苦労した点

  • 作り手の思いを抑えながら、製品の良さをPRすること

今後、クラウドファンディングを利用する方へのアドバイス

特徴のあるものづくりをしている方に特におすすめ

小さい会社で、「ビニール傘なのに高級」「ビニール傘なのに丈夫」といったような特徴のあるものづくりをしている会社の方に、特にクラウドファンディングをおすすめしたいと思います。

取引先が決まっているような中小企業は、新しいことをする場合に取引先を通じて世の中に提案するしかなかったと思いますが、
クラウドファンディングを活用することで、自社の技術を活かしたBtoCの製品を直接お客様に提案してその声を聞くことができると思います。

クラウドファンディングは今注目されているので、プロジェクトが成功すると、雑誌やテレビなどメディアからオファーがくることもあります。きっかけ作りを誰かに頼らず、自分でチャレンジできる場として最適だと感じました。

また、紹介ページを作る時は、自分の思いに固執しすぎてしまうと空回りしてしまうので、クラウドファンディング事業者の意見を聞き、サイトを見てくれる方の立場でプロジェクトページを作ることが大切だと思います。