更新日:2014.07.28
起業の相談を受ける中で多いのが、「個人事業主で独立したほうがいいのか? それとも法人を設立したほうがいいのか?」という起業時の組織形態のことです。わたし(片桐)は行政書士で、得意な分野なので、まず個人事業主と法人の違いについてお話しします。
個人事業主と法人の違いを簡単に述べますと、『個人事業は無限責任』『法人事業は有限責任』ということです。
個人の場合だと、個人名で銀行口座開設を行います。事業資金としての借り入れは、事業主個人の借金と同じ扱いで、失敗すると個人の財産を手放しても債務の支払いをしなくてはなりません。
法人だとどうでしょうか? 借り入れについて言えば、「有限責任のため個人の財産は守れる」というメリットがあります。
他にも、メリット・デメリット両方ありますので整理してみましょう。法人化すると、「給与所得控除が利用できる」「経営者の退職金や生命保険料を必要経費にできる」「赤字を9年間繰り越しできる」「社会保険に加入できる」などのメリットがあります。
そして、なんと言っても「社会的信用がアップする」「銀行の融資が受けやすくなる」「返済不要の助成金の活用がしやすくなる」などが大きなメリットでしょう。
しかし、デメリットもあります。利益が出ても出なくても年間最低7万円の「法人住民税」を支払わなくてはなりません。以前述べたように「(登録免許税など)設立費用がかかる」ことも忘れてはなりません。
社会保険に加入できるのはメリットでもありますが、「社会保険料の負担が増える」というデメリットもあります。また、「税務調査が入りやすくなる」というのも、デメリットと感じるでしょう。
法人化はメリットが多いですが、名刺代わりに安易に作るのは考えものですので、よくご検討ください。 (取材・構成:藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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