更新日:2014.09.08
起業しようと決意して手続きを開始する時に心がけておくと、ちょっと得をする話を紹介しましょう。
起業するということは、個人事業主であれ、法人であれ、税務署とのお付き合いをスタートするということでもあります。
「青色申告」という言葉はご存じでしょう。これは、一定の帳簿を設けて、正確に記帳している納税者には、さまざまな特典が認められるという制度です。
どんな特典かというと(2014年8月現在)、まず法人の場合、最大9年間、赤字を翌事業年度に繰り越すことができます。
たとえば、今事業年度に100万円の赤字を出してしまったとします。その赤字を翌事業年度に繰り越せるのです。そして、次の事業年度に100万円の黒字が出たとしても、赤字と相殺できて、税金負担が軽く済むのです。
個人事業主の場合は最大3年間赤字を繰り越せます。ほかにもメリットが多いので、「青色申告」は開業と同時に手続きするぐらいに考えておいたほうがいいと思います。ただし、記帳などの手間は増えます。
さらにお得な話は「光熱費や家賃などの経費計上」です。自宅を事業所にした場合、光熱費、賃借料、固定資産税、住宅ローンの支払い利息、損害保険料、生命保険料、固定電話の電話代、車検代、ガソリン代などを経費処理できる可能性があります。法人と個人事業主とでは、経費処理できる範囲が違いますが、ずいぶんいろいろ特典があるなと思われることでしょう。
法人を設立する人にとって、もうひとつ得をする話は、「定款」を電子化することです。
電子化に対応していない司法書士・行政書士事務所に法人設立を依頼すると、定款の収入印紙代が4万円かかりますが、電子定款に対応している事務所だと0円です。起業して物入りな時期に4万円の差は大きいですよね。 (取材・構成:藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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