更新日:2014.06.09
定年起業に挑戦する前に、定年後どんな生活を営んでいくのか、また、それに必要なお金はどれぐらいかかるのか、ライフプランを立てるのが先決でしょう。
私(片桐)はファイナンシャルプランナーでもありますので、ライフプランについてアドバイスをすることも多くあります。ライフプランがないと、起業にどれぐらいお金を使うことができるのか判断がつかないからです。イチかバチかで起業して生活が破綻しては元も子もありません。
まずエクセルなどで表を作ります。「60歳で再雇用」「58歳で退職して起業」などと、自分の目標を決めてください。そして、自分の年齢や奥さんの年齢、お子さんの年齢などを記入し、1年ごとに推移していく表を作ります。毎年の収入と支出の予定額も記入しましょう。
次に、お子さんの大学卒業、住宅ローン完済など人生の大きなイベントを記入し、毎年の収支を見てみます。収入については、予想しづらい部分も多いのですが、役職定年による給与ダウンや早期退職した場合の退職金なども考慮しましょう。年金についても、「ねんきん定期便」などで受給額を把握しておきます。
ライフプランをながめて、「自分は65歳までの再雇用とそれ以降の年金支給額で十分生活していけるから、起業の必要はない」という結論に達する人もいるでしょう。それはそれで良いと思います。
しかし、従来の半分以下、あるいは3分の1程度の年収で雇用されることに、モチベーションを保てないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。そうであれば、ライフプランに「起業」という選択を採り入れてみてください。
ライフプランに基づいた収支計画を立て、起業してどれぐらいの収入を確保すれば、生活が成り立つのか、そのためにどれぐらいの資金が必要で、その資金はどうやって確保するのか、などの具体的な課題が見えてきます。 (取材・構成:藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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