夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦】縁がないと思うなかれ、3人に1人が60代 まずは「ゆる起業」

更新日:2015.01.05

 今年、いよいよ会社を定年退職するという方もいらっしゃるでしょう。定年後の再雇用を選ぶ人も多いでしょうが、収入が2分の1、あるいは3分の1になってしまうこともあります。そうした場合、自分のモチベーションを維持するのも大変ですね。

 他の選択肢としては再就職、そして起業です。再就職の道が、いかに大変かは説明するまでもないでしょう。とはいえ、起業という言葉がピンとこない人も少なくないでしょう。「なんだかリスキーだな」「自分には縁がないね」といった具合です。

 ところが、60代の人の起業は年々増えているのです。中小企業庁の2014年版中小企業白書によると、1979年時点では60代の起業は全体の7%にしか過ぎなかったのですが、12年には32・4%と、起業家の3人に1人が60代になっています。つまり、60歳を超えての起業は珍しいことではないのです。

 このお正月、今後のことをゆっくり考えるときに、起業という言葉が頭に浮かんだら、「ゆる起業」というキーワードも一緒に思い浮かべてください。これは、私が多くの定年起業を行った方たちとお話ししてきたなかで作った言葉です。ここで「ゆる起業」の5原則を述べますので参考にしてください。

 (1)楽しいと思える仕事をする(2)やりがい、生きがいを感じる仕事を選ぶ(3)得意分野の仕事をする(4)投資はできる限り抑え、利益を追求しない(5)健康が一番。

 定年になったら引退し、趣味の世界に生きようと思っている方は少数派ではないでしょうか。年金プラスアルファの収入を確保したい、社会の中に居場所を持って人の役に立ちたい、自己実現をしたいという思いの人は多いでしょう。

 もちろん「ゆる起業」といっても「いい加減な起業でいい」ということではありません。でも、私はあまり起業というものを堅苦しく考える必要もないと思っています。 (取材・構成:藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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