更新日:2018.06.21
シニア起業に詳しい銀座セカンドライフの片桐実央代表をゲストに呼んだ「夕刊フジ定年起業応援サロン」では、参加者から「失敗事例について聞きたい」という声が多く上がった。前回は「リスク分散を考えずに広告を打ち、継続ができなくなった事業例」を紹介したが、ものづくりで起業したいという人にも気をつけたいポイントがあるという。
「ものづくりで起業する人にはこだわりが強い人が多いのですが、完成度を求めるあまり、製品化がなかなか実現しない場合があります。すると、資金繰りがだんだんきびしくなります」(片桐さん)
片桐さんによると、製品化が1年間も停滞すると金融機関などからの評価も下がってしまう。その結果、次の融資や補助金を申請しても通らなくなることがあるという。
また、「なんとか『もの』が商品化できた人でも、作るのに精いっぱいで売り方を考えていなかった、というのもよくあるパターンです」。ものづくりで起業しようという人に「どうやって売るんですか?」と問いかけると、「通販」と答える人が多いそうだが、片桐さんが「通販一本やりで大丈夫ですか? それで売れなかったらどうしますか?」と聞くと、答えに詰まる人も多いらしい。
「何種類かの売り方を考えておくべきで、ひとつの方法に頼りすぎてしまうのは危険です」と片桐さんは言う。
定年起業し、自分の作ったものを売りたいという人は多い。しかし、あまりこだわりを持ちすぎるのも考えものだ。また、作ることだけで満足せず、販売ルートを考えることも必要なのだ。(取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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