夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】「ゆるやかに続ける」 定年起業は無理せず「壁」を越える

更新日:2018.09.06

「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2018」で優秀賞を受賞した海老名要一さん(65)は、ウェブサイトの完成度にこだわりすぎたことと資金計画の読み違いによって、起業の壁にぶつかってしまった。これは誰にでも起こり得ることだろう。

 それではいったん起業は保留に? と聞くと、まったくそんなつもりはなく、できることから始めているという。

 まず、なかなか完成しないウェブサイトについては、未完成でも公開して、周囲からさまざまな意見を集めることにした。

 「ただし、コンテンツはもっと充実させていかなくてはなりません。その部分は地元のNPO法人の地域貢献活動に参加しているので、活動の中でヒアリングを進めていきます」(海老名さん)

 資金計画についても、もうすぐ落ち着いてくると見込んでいるが、「それまで手をこまぬいているわけではない」と語る。
「自分が持っているNPO活動に関する経験・知識を副業に活用して、少しでも資金の足しにしていくつもりです」

 現在、経験や知識を時間単位で提供する「スキルシェア」という副業サービスがいろいろ登場している。たとえば「ビザスク」というサービスは、自分の知見を生かして時間単位でコンサルティングを行い、報酬を受け取るものだ。海老名さんはすでにビザスクに登録しており、過去の実務経験や知識を生かして地域貢献の相談を受け付ける準備をしたという。

 「われわれシニア世代は無理せずゆっくりと継続を目指すことです。隙間時間で小さく資金を稼いでいく姿勢でいきたいですね」

 定年起業の要諦は「ゆるやかに続けることだろう」と海老名さんは話している。(取材・構成 藤木俊明)

 

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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