夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】上下関係のない仲間づくりが大切

更新日:2018.10.26

75歳を過ぎて高倉町(たかくらまち)珈琲を新たに起業したすかいらーく元社長、横川竟(よこかわ・きわむ)さん(80)。前回は起業のきびしさを聞いたが、今回はサラリーマンが定年後に向けてどのような準備をすればいいのかを聞く。 「サラリーマンには、学校時代の仲間、仕事での仲間、趣味での仲間、この3つの仲間がいます。その中で『起業』『社会貢献』に関われる仲間にどこかで巡り合えるんですよ」(横川さん)

 中でも会社員時代に「仲間づくり」をすることが大切だと横川さんはいう。会社を辞めると多くの仲間がいなくなるからだ。

 「上下の関係がない仲間が必要です。社外の人、同業界の人でもいい。ストレス解消のために飲むのではなく仲間づくりのために飲むことは価値のあることです」

 75歳を過ぎて起業に駆り立てるものは何なのか。

 「会社が大きくなり自分の理想から離れてしまいました。どうしても理想とするカフェを作りたい。理想とする食事を提供し、お客さんにゆったり過ごしてもらいたいという思いです」

 横川さんに店舗を案内していただく。席の間がゆったりし、お手洗いもとても広い。普通、外食産業ではお手洗いのスペースはもったいないので狭くするという。そんな理想のもとに、すかいらーくやジョナサン時代の「仲間」がたくさん集まってきてくれたと横川さんはうれしそうに語る。

さらに横川さんは読者へのメッセージとして、定年になったらお金のために働くということと縁を切ったらどうかと話す。

 「定年になったら自分のやりたいことをやらないとつまらない人生じゃないですか。いかにどうやっていい仲間と過ごすかでしょう」

 横川さんのメッセージは「仲間づくり」に集約されるようだ。(取材・構成 藤木俊明)

 

 

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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