夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】準備期間の「居場所」を持ちたい

更新日:2018.12.13

定年起業を検討中の方にお話を聞くとき、「居場所づくり」というキーワードがよく出てくる。定年退職すると家に居場所がなくなるという切実な問題がある。

 ただ、「定年になったら即起業しよう」と決意している人は多くはない。不安や迷いがある。起業について情報収集し、分析したり、思い悩んだりする「居場所」が欲しくなるのが普通だ。事業計画の策定などもしたいので、じっくり考え、書類を書いたりすることのできる場所が欲しいが、会社はむろん家や喫茶店ではやりづらいという声も多い。

 今、レンタルオフィスやコワーキングスペースなどが各地にできている。会社勤めの時には縁のない場所かもしれないが、ひょっとして、そんな人の「居場所」かもしれない。「レンタルオフィス」とは、月ぎめの経費を支払って、共用のデスクを自由に使うことができるもの。一人でじっくり考え事をしたり計画を練ったりするのに向いているだろう。

 電源やネット、複合機、会議室なども完備しており、契約したらすぐデスクが使える。多くは会員証などで出入りが管理される。東京では月額1万~2万円程度の施設が多く、個室を準備している施設もある。

 「コワーキングスペース」も、やはり月ぎめや単発利用料金で共用デスクを自由に使え、レンタルオフィスとよく似た仕組みで、明確に区分される定義はないが、利用者同士のコミュニティーづくりに力点がおかれ、若者が利用しやすい印象が強い。料金的には同じぐらいだが単発利用ができることも多い。

これらの施設は民営のもの、民営だが行政の指定を受け起業支援コースに組み込まれているもの、行政主体で運営するものなどさまざまだ。定年前あるいは定年後の起業準備期間の「居場所」として検討したらどうだろう。(取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

現在の利用会員数

16,821

調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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