更新日:2019.02.14
1月17日、日本政策金融公庫は「起業と起業意識に関する調査」を発表した。起業の相談窓口を持つ公庫の調査であり、起業家や起業志望者の実態を反映したものだ。
興味深いのが「仕事のやりがいに関する満足度」だ。同調査では「起業家」「起業関心層」「起業無関心層」に属性を分けているが、「満足」と答えたのは、現在勤務中の「起業関心層」(35・1%)、「起業無関心層」(34・6%)であるのに比べ、「起業家」は68・5%と、ほぼダブルスコアで満足度が高い。
休みや家族との時間を犠牲にしているのではと「私生活(休暇や家族との過ごし方)に関する満足度」を見るが、「満足」と答えたのは「起業関心層」(46・5%)「起業無関心層」(46・3%)であるのにに比べ、「起業家」は61・0%とやはり高い。
「総合的な満足度」を見ても、「満足」が「起業関心層」(38・6%)、「起業無関心層」(42・1%)と比べて、「起業家」(58・6%)の方が高い。
起業家の事業形態は、スモールビジネスが多いようだ。同調査によると、起業家の組織形態は「個人企業」が84・5%であり、従業員数は1人(本人のみ)が65・6%。
起業費用を見ると「100万円未満」(36・3%)、「費用はかからなかった」(21・9%)と過半数が100万円未満で起業しており、さらに借り入れをしなかった人が約8割にのぼるようだ。小さく、融資も受けず、ローリスクに起業している様子がわかる。
シニア起業を支援する銀座セカンドライフの片桐美央代表は、常々「ゆる起業」というキーワードで、リスクの低い起業を起業志望者に勧めている。
本調査はシニア世代に限定したものではないが、無理のない起業スタイルが広まっていることを示しているといえよう。(取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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