夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】ハウスクリーニング「チェーン店加入」?「独立開業」?

更新日:2019.06.13

 定年後は手に技術を持って個人事業を営みたいという方もいるだろう。たとえば、ハウスクリーニングや家事代行のフランチャイズチェーン加入を勧める広告をよく目にする。加盟金と本部に月々のロイヤルティーを支払う代わりに、一定の売り上げを保証するという触れ込みのものが多い。

 ハウスクリーニングの個人事業主の独立支援を行うNPO法人日本ハウスクリーニング協会(2001年設立)の金子晴雄理事長に実情を聞いた。金子さんによると、悪質なフランチャイズチェーンに加入してしまい、借金を背負って同協会へ相談に来る人が少なくないとのことだ。

 同協会はフランチャイズチェーンではないので加盟金やロイヤルティーは不要。希望者は同協会が運営するJHAビジネススクールで3日間の基本研修(5級認定・受講費用15万円)、本格的に起業したい人はさらに4日間の研修(3級認定・受講費用32万円・スマホ対応HP作成込み)を受けハウスクリーニング士の認定証を受ける。仕事道具は20万円もあればそろうという。

 ほんとうに加盟金とロイヤルティーは不要なのか?

 「うちは加盟金やロイヤルティーをとらないので逆に怪しまれることもあります。あくまでハウスクリーニングの個人事業主を育て支援するNPOです」(金子さん)

 金子さんは、ハウスクリーニングを開業し成功するためには、技術はもちろんだが、人の家に上がる仕事なので挨拶やマナーが大切だという。同協会には先輩の事例を学んだり相談し合えるコミュニティーがある。

 「すぐに独立開業を考えていなくても構いません。この業界に興味があり、実情を知りたい人はいつでも相談してください」

 悪質なフランチャイズチェーンの情報はネットでもある程度探せる。まずは自分の目で実情を調べたい。(取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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16,821

調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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