夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】妻の裏方で介護サービス未開拓分野に着手 

更新日:2019.08.07

 介護サービス業界にこれまでの知見を生かしたい-。

 高舘和洋(たかだて・かずひろ)さん(55)は大手金融グループの主に不動産部門で活躍してきた。ところが子育てが一段落した奥さんが介護関連の仕事を始めたところ、才覚を存分に発揮し、5年前に訪問介護・障害者支援事業所「カレッジケア」を運営するホープウェル株式会社を起業する。高舘さんも仕事の合間に経理業務などをサポートしてきた。手伝ううちに奥さんの才能と介護サービス業界の可能性に気づく。

 「身内のことなので言いにくいのですが、女房には大きな才能があります。自分は裏方としてプロデュースしてみたいと思ったんです」(高舘さん)

 高舘さんは早期退職し、奥さんの会社を役員としてサポートしながら、自分の知識や経験を介護サービス業の未開拓分野に生かしたいと2018年、株式会社カブスを設立する。

 「自分は主に不動産・建設業に従事してきました。そこで出会った大切な人脈があります。介護サービス事業を充実させながら、その周辺ビジネスを含め、今まで培った知識を生かした事業展開を図りたいと思っています。介護福祉事業を主軸にして地域の福祉拠点化(住宅、カフェ+α)事業をやらないかなどの相談が持ち込まれます。そういう案件は役割を切り分け、最終的にコラボできればと考えています」 高舘さんはまず介護現場を知ることから始め、現場が想像以上に大変で、さまざまな制度にしばられていることを認識する。しかし、未熟であり、日々変化を求められ改革をし続けなくてはならない業界だからこそ、まだまだできることがあると確信したという。「この業界を取り巻く環境には未知数の可能性が埋もれていますよ」と力強く語った。
(取材 構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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