夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】会社で培った「知識」や「経験」を生かす

更新日:2019.11.14

 定年起業を目指す理由は人それぞれだろう。シニア起業家に聞くと「自由」を挙げる人も多い。中小事業者向けにクラウド会計ソフトを提供するfreee(フリー)株式会社は9月「起業に関するアンケート」の分析結果を発表した。起業に関心のある層に向けて「なぜ起業しようと思いましたか?」という問いが投げられているが、全世代において「自由に仕事がしたかった」(46・0%)という回答が1番多く、2番目が「収入を増やしたかった」(34・5%)と続く。シニア層(50~69歳)では他世代に比べ「退職後年金以外の収入も得たいから」(23・7%)「年齢や性別に関係なく仕事がしたかったから」(21・7%)という回答が目立つ。また、「これまで会社員生活で培ってきた知識・ノウハウを生かしたかった」(16・7%)という回答も目を引く。長く会社に勤めてきた人ならではの思いだろう。その思いは「どんな職種で起業したいのか?」という問いに対する答えにも滲み出ている。50~69歳の層では「コンサルタント業」(13・7%)と「小売業」(13・7%)が同率でトップに並ぶ。小売業は世代を問わず選ばれている職種だが、コンサルタント業を選ぶのはシニア層が突出している。これまで7千人を超える方々からの起業相談を受けてきた片桐実央さん(銀座セカンドライフ代表取締役)は、「シニア世代の起業希望者には、今まで勤めてきた会社で培った知識や経験、技術や人脈などを生かす起業をおすすめしています。結果、コンサルタント業を選ぶ方が多くなっていますね」と話す。コンサルタント業は初期投資額が少ない分野の1つだ。夢を追いかけて未経験の分野で起業するのもいいが、リスクは高くなる。せっかく長く勤めてきた会社。そこで得てきたものを生かす起業が望ましい。(取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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