更新日:2020.01.30
雇用延長の実態は茨の道?
今年度定年を迎えるにあたり、その後、どう働くかを検討している読者も多いだろう。60歳で定年退職、65歳までは雇用延長というパターンの企業が多い。ところが企業によって雇用延長の待遇はまちまちだ。
夕刊フジ定年起業応援サロンの参加者からは、時短で働き、自由に活動しようと思っていたら、会社からは現役時と変わらぬ出社時間と業務責任を求められる上、給与だけは半分程度に減ると告げられ、唖然として断ったという声もあった。
高齢者の就労支援を行う株式会社マイスター60は、定年退職後に再雇用制度を使って働いている60~65歳の全国男性500人を対象にアンケートを行い、昨年12月に給与面、待遇面についての調査結果を発表した。
それによると、現在の雇用体系は「嘱託もしくは契約社員」が64・2%と圧倒的に多く、「正社員」は32・2%に過ぎないという。
さらに雇用契約期間については「1年間以内」が48・6%で半数近く。「1年間を超える」が38・6%、「期限の定めはない」が12・8%ということだ。
一番の問題である収入だが、定年後の賃金の変化について聞いたところ「(定年時の)5割以上減った」が39・8%とトップ。「3~4割減った」が39・6%と続く。
前述の「給与が半分に減る」はあり得ぬ話ではないことがわかった。現役時代と変わらぬ環境や業務内容で働ける再雇用制度。しかし、意地悪な言い方をすれば、「給与は3割から5割も減らされて1年ごとの契約社員扱いになる上、勤務時間や仕事の責任は同じ」という待遇の可能性も低くはない。
もちろん雇用延長の条件が恵まれたものであればいいが、定年後の働き方については、他社への転職、定年起業なども視野に入れて情報を集めておきたい。(取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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