更新日:2020.02.06
シニア世代の起業相談を数多く受けてきた片桐実央さん(銀座セカンドライフ代表取締役)は、「定年後、起業をめざす人に人気があるのがコンサルタントという職種です」と話す。商品の在庫を抱えるリスクもなく、事務所もレンタルオフィスを活用すれば開業費用はローコストで済む。
しかし起業するからには、顧客をつかむコツは必要だろう。片桐さんにコンサルタントとして起業し、長続きさせるコツを伺った。
まず、コンサルタントを名乗り開業するのに資格は必要だろうか?
「名乗るのに資格は必要ありませんが、中小企業診断士、社会保険労務士などの資格を持っていた方が営業活動しやすいのは確かです」(片桐さん)
しかし片桐さんは、もっと大事なことは他者にはない自分の強みを作ることだと言う。
「強みと言ってもむずかしく考えないで、『フットワークが軽く必要なときはいつでも駆けつけてくれるコンサルタント』とか『アドバイスするだけでなく、二人三脚で親身に支援してくれるコンサルタント』ということでも、十分その人の強みになり得ます」
コンサルタントを名乗り、開業したとしても、顧客開拓は難しそうだ。どのような方法があるのか?
「セミナー講師を勤める、小冊子を作る、自分のホームページを開設することぐらいまではマストでしょう」
片桐さんは、当記事でも取り上げてきた新現役交流会(マネジメントメンター)もコンサルタントの顧客開拓に活用するのも一つの方法だと話す。
「新現役交流会は、公的機関の運営で信用力も高い上、参加する中小企業には国から補助が出るので、顧客を探すきっかけとしてはいいのではないでしょうか」
自分の強みを作ることと情報発信、新現役交流会など公的機関の活用を心がけたい。(取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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