更新日:2020.05.28
神奈川県藤沢市の株式会社SEtech(エスイーテック)は代表取締役関根弘一さん(68)が定年退職後設立した技術開発型ベンチャーだ。関根さんは2015年会社設立時の創業補助金採択を皮切りに、7種類もの公的補助金を取得している。
中でも特筆すべきは国立研究開発法人NEDOの「NEDO-SUI」という研究開発型ベンチャー支援の補助事業に採択されたことだ。大学発ベンチャーなどが採択されることが多く、創業したばかりの小規模企業が採択されるのは珍しく快挙といえる。
さらに関根さんの事業は神奈川県藤沢市の補助事業にも採択される。現在、湘南藤沢インキュベーションセンターに事務所を構え精力的に研究開発を進めている。
こうして補助金に採択されたのは、もちろん関根さんの技術が優れていることや開発の視点がユニークで社会のニーズに合っているからだろうが、優秀な技術を持っていても、なかなか補助金に採択されない起業家も多い。関根さんに公的補助金を取得するポイントについて伺った。
「まず、補助金の趣旨、背景をしっかり理解することです。募集要項に記載されている要素をよく読み、キーワードをつかむことです」(関根さん)
補助金の審査員が専門的な知識を持っていないことも意識すべきだと言う。
「平易な文章で、内容を伝えることも大事です。そして、自分の申請が助成金の趣旨にいかにふさわしく、社会性があるかを強調することです」
権威のあるモノやコトはフルに使うことだと言う。
「海外の人に日本人の謙譲の美徳はもったいないといわれたことがあります。中国人やアメリカ人のようにアピールできるものはどんどん使うべきだと私も考えを切り替えました」
次回はインキュベーションセンターの活用法について聞く。(取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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