夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】「小ビジネス」と「再就職」を合わせ柔軟に…

更新日:2020.09.10

 本記事では「少額開業」や「退職金に手をつけない起業スタイル」などについて紹介してきたが、大企業に長年勤務して、数億円単位の取引を経験してきた方には、大きな投資を伴わない小さなビジネス、つまり小商いということがピンと来ないかもしれない。

 今年「55歳から小ビジネスで稼ぐ!教科書」(辰巳出版)を出版した銀座セカンドライフ代表取締役・片桐実央さんに「小ビジネス」についてお話を伺った。

 片桐さんは、定年後の働き方には大きく分けて「再雇用」「再就職」「小ビジネス(起業)」の3種類があると話す。

 「それぞれメリット、デメリットがありますが、小ビジネスのメリットは何と言っても自分の意志を最優先して働けることでしょう。仕事内容、収入規模、働くペースなどすべて自分の采配でコントロールできますから、やりがいを持って働けます」(片桐さん)

 片桐さんは「ゆる起業」と呼んでいるが、費用、体力ともに最小限から始め、小さい規模の仕事をゆるやかに継続していくことが大事と続ける。片桐さんは7000人以上の起業相談に乗ってきたが、多くのシニアがそのようなスタイルで小ビジネスを始めているという。

 ただし、最初から小ビジネス1本に絞るのではなく、再就職と小ビジネスを組み合わせるなど、柔軟に考えたらどうかということだ。

 「再就職先に週3日出勤し、残りの2日は自分で起業した仕事にあてるといった働き方も考えられますね」

このスタイルだと、自分のやりがいも達成できる一方、一定の安定的な収入も望める上、帰属する場所があることで精神的にも安定するのではないかと片桐さんは話す。(取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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