更新日:2020.10.01
2021年4月に70歳までの就業機会確保を目的とした「改正高年齢者雇用安定法」が施行される。
現在の「65歳雇用延長制度」において、企業は(1)定年廃止(2)定年65歳以上への引き上げ(3)希望する社員全員に65歳までの継続雇用-のうち1つを選択しなくてはならない。
来年4月からは、この(2)(3)を70歳以上に引き上げ、新たに(4)他企業への再就職支援(5)(社員がフリーランスとして)業務請負(6)(社員が起業した会社への)業務委託(7)社員の社会貢献活動への参加支援-の4つを加えて、7つの選択肢を企業が用意するように求められる。現在、企業側の義務とはされていないが、この指針を受け入れる企業も多いことだろう。
そうすると、この7つの選択肢のうちの(5)(6)については、実質「会社が定年起業を支援すること」と言えるのではないか。額面通り受け止めれば、65歳になったら個人事業主やフリーランス、または法人を立ち上げて、今勤めている会社と業務委託契約を結ぶ選択肢ができる。まったく顧客がいない状態で旗揚げするのではなく、今まで勤めていた会社がクライアントになり、変わらない業界と職種で働ける。なじんだ人間関係も生かせる。もちろん別の顧客を開発して仕事の幅を広げてもいい。65歳から年金を受け取る場合、個人事業主として所得を得るのであれば、年金との合計所得金額が一定額を超えても年金は減額されない。むろんこの先、年金支給時期や支給額がどうなるかは視界不良だ。早めにFPなどの専門家に相談し、65歳以降の人生設計を再考したい。 (取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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