夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】50代幹部が複業「社員のキャリア開発促す環境」

更新日:2020.11.26

 ひと昔前までは会社員の副業というと、後ろめたい響きがあった。しかし、政府による呼びかけもあり、積極的に副業・兼業(複業)を認める企業も増えてきた。そんな中、早くから社員の複業を認めてきた企業がサイボウズ株式会社だ。広報の山見知花さん(27)に話を聞く。「サイボウズは2012年から複業を解禁しました」(山見さん)

 現在、会社のブランドを毀損(きそん)しそうなもの、会社の資産を使うもの、他の事業者に雇用されるもの以外は届け出なしで複業を行って構わないという。同社はグループウェア事業で著名だが、そのスキルを生かし開発したアプリで、働き方を簡単に申請・管理する。

 コロナ禍以降さらに複業を行う社員の数が増え、山見さんの体感値で全体の2、3割はいるのではないかとのことだ。ライターや農業などさまざまだが、複業がサイボウズの仕事につながる例もあるそうだ。しかし会社として本業とのシナジーを無理に求めているわけではなく、あくまで自分らしいキャリアを積んでもらいたいという姿勢だ。

 「先日は副本部長クラスの50代男性が『自分も複業を始めます』と宣言しました。会社で培った自分のスキルを棚卸しして、それを生かすことができる複業先を探した結果、2社と話がまとまったそうです」

 一定の年齢層に達した同副本部長は、自らの可能性を広げようと考えたらしい。しかし、管理職がそのようなことを社内で公言できるのはよほど風通しのいい風土なのだろう。サイボウズでは、社員に複業を認めるだけでなく、同社で働いてくれる複業人材の採用も進める。「ほんとに多様な人材が働いています」と山見さんは笑った。(取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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