更新日:2021.01.28
定年起業を念頭に置いて、「今年こそは何か資格を取得しよう」と考える人もいるだろう。資格Times(株式会社ベンド運営)が実施したアンケート「2021年度取得を目指している資格」によると、1位は「FP(ファイナンシャル・プランナー)」となった。2位は「宅地建物取引士」、3位は「社会保険労務士」、4位は「行政書士」と続く。同調査では『FPはさまざまな業界で需要が高いだけでなく、さらに経験を十分に積めば独立起業ができることから、将来的にも活躍が期待できる資格』(資格Times)と解説されている。
起業に向けて、これらの資格を取得できれば、有利になることもあるかもしれない。
しかし、実際に士業で独立した方に話を聞くと、「資格を取るだけでは飯が食えない」という声が多い。例えばある社会保険労務士は、独立しても顧客が獲得できず、来る日も来る日も飛び込み営業を繰り返して、数カ月目にようやく初めての顧客ができたと振り返る。資格試験は難関だが、顧客の獲得はまた別の難関であろう。
シニア世代の起業相談を数多く受けてきた片桐実央さん(銀座セカンドライフ代表取締役)は、『セミナー講師を務める』『小冊子を作る』『自分のホームページを作る』の3つは少なくとも行うべきことと話す。さらに、定年起業前には、資格者の会員組織に積極的に参加し、顔なじみを増やすことも大事だと続ける。
「異業種交流会などに参加して、他の士業の方とネットワークを作ると仕事を紹介してもらえることもあります」と片桐さんは話す。資格だけでは食えない。人的ネットワークを醸成することが大切ということだ。 (取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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