夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】新しい早期リタイアのスタイル「FIRE」

更新日:2021.03.25

 「FIRE(FinancialIndependence,RetireEarly)」という言葉が注目されている。かんたんに言えば「経済的に自立して早期リタイアするライフスタイル」だ。

 早期リタイアというと「大金をつかんで引退して悠々自適」というイメージを持つ読者も多いだろうが、そうではない。大ざっぱに説明すると、生活に必要な費用をきちんと計算し目標額をためる。そして早期リタイアした後もムダな費用を切り詰め、その範囲中で暮らしていく。一切働かないわけではなく、必要があれば投資や何らかの仕事で収入を補う。

 FIREの考え方は米国の若い世代に共感を集めているが、日本のミドルシニアにとっても参考になりそうだ。シニア世代の働き方に詳しい、株式会社シニアジョブ代表取締役の中島康恵(やすよし)さんに話を聞いた。

 今年4月の法改正で70歳まで働ける環境が整備されていく。現在企業で働くミドルシニアには、今までのシニア世代のような定年後はやってこないと中島さんは警鐘を鳴らす。不本意な環境で、また恵まれない収入で働き続けることを余儀なくされる可能性も高いと話す。

 であれば、例えば50代で人生設計を再構築する。つまり、日本版FIREも一考すべきだろう。早期退職で一定の資金を得て、65歳からの年金支給まで自分らしい生き方を選べるかどうか計算する。その結果、そこまで手元資金だけでやっていけないと思うときは、再就職するなり、週に何日か働くなりして収入を補填(ほてん)していく。中島さんは「シニア世代の人材市場はかつてないほど大きくなり、動いています」と話す。今年は、人生設計を再構築するタイミングかもしれない。 (取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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16,821

調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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