夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】定年後も無理なく仕事を続けるためには

更新日:2021.04.08

 本連載は今回でいったん区切りを迎える。これまでシニア起業家や専門家に聞いた話を振り返り、印象に残った言葉をいくつか紹介したい。

 『自立と自律』

 これは、大手企業を早期退職した上水樽文明さんの言葉。自立して多くの人が感じるのは自由。自分のスケジュールを会社に決められるのではなく、自ら決められるのはうれしいことだ。しかしそれは、怠けようと思えばいくらでも怠けられることの裏返しであり、自らを律しないといけないとの戒めだ。

 『年金プラス10万円』

 これは複数のシニア起業家から聞いた言葉で、年金だけでは生活は心もとない。毎月あと10万円が入ってくると心にゆとりが出るということ。会社員時代、何千万、何億の金額を動かしていた人も考えをリセットし、毎月10万円収益が入ってくるようにすれば検討する。起業という言葉に縛られず副業的な仕事をかけもちする「複業」も選択肢になるだろう。

 『ゆる起業の5原則』

 これはシニア起業の専門家片桐実央さんの唱える無理なく起業するための言葉。▽本当にしたいと思えること▽やりがいを感じること▽経験を生かせること▽利益をあまり追求しないこと▽健康が一番であること、以上5つの原則を大切にすべきとのことだ。

 『仕事をしているときこそ生きているって感じがする』

 これは外食チェーンすかいらーくの創業者で元社長の横川竟さんの言葉だ。横川さんは75歳にして、再び高倉町珈琲を起業した。

 これから「定年」という言葉の意味も変わっていくかもしれない。また機会があればシニア世代の働き方を報じたい。長い間、ご愛読ありがとうございました。 (取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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