更新日:2013.10.08
私がシニア起業をサポートしている人の中には、「自分が習得してきた技を教えること」を事業化したいという方も多くいらっしゃいます。趣味で習っていたプリザーブドフラワーを教える側に回り、その分野で起業した会員、カンボジアの踊りにほれ込み、現地に1年半ほど留学して日本で教えてよいという許可を得て帰国・起業した会員など多士済々です。
今回ご紹介する大沼千恵美さん(50)は、お箏(琴)の先生で、大手キャビンアテンダント養成スクールで講師もつとめられていました。日本人の「おもてなしの心」を根本に、身だしなみや立ち居振る舞い、話し方、メイク、接遇マナーなどを教えてこられたそうです。
そうした内容を「大沼メソッド」としてまとめ、今後は企業や官公庁の研修に生かしていきたいと考え、「桜箏(さくらこと)スクール」を設立されました。スクールと名付けたのは、世界に誇れる「なでしこ」「サムライ」を育成する学校にしたいという思いからです。
「家族が日本の伝統芸能をたしなんでいたため、わたくしは幼少のころから立ち居振る舞いや所作について厳しくしつけられてきました。現在は、外資系企業の管理職候補、官公庁の職員、大病院のスタッフなどに身だしなみや言葉遣い、他者への気配りなどマナーに関することをお教えしております。マナーというのはコミュニケーション・ツールのひとつで、とても大切なものです」(大沼さん)
大沼さんによると、長年組織に守られてきた人ほど、独立して社会に出るときには、身だしなみや立ち居振る舞いなどに注意したほうがよいそうです。確かに、会社に守られ、マナーについて誰からも指摘されなかった人は多いと思います。
「企業経営者の方からのご相談も多いですね。どんなに内面が素晴らしくても、それにふさわしい身だしなみや振る舞いができないと、内面は相手に伝わりません」(大沼さん)
定年起業を考える方も、ご自分のマナーを今一度、見直されてみてはいかがでしょうか。(取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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