更新日:2014.01.10
今回は「ペルソナマーケティング」について説明します。シニア世代が起業するときには、とても有効な方法です。難しいことではありません。
起業してどういうサービスを行うか、どういう商品を販売するか具体的に決めたら、実際に利用してくれそうな人、つまり「ターゲット」を考えますね。その際、ターゲットを1人の「理想の顧客像(=ペルソナ)」に絞り込んで検討するのです。
身近な例で説明しましょう。あなたがリサイクルショップを開業しようと考えたとします。そのとき、利用する人のイメージを1人に絞り込むのです。たとえば、あなたのリサイクルショップの理想のお客さまは、「横浜市」に住む「栗原義男さん(仮名)」で、年齢は「55歳」。「銀行の支店長」をしていて、奥さんと大学生の息子さん、大学受験を控えた娘さんの「4人家族」。子供にお金がかかる時期なので「お小遣いは少ない」。でも、「趣味のゴルフ」は続けたい。「日経新聞」を読んでいて、「悩みは健康」のこと。「太り気味で血糖値が高い」というふうに具体的な人物像を決めていきます。これがペルソナマーケティングです。
「1人だけのイメージに絞って大丈夫? もっと幅広く考えた方がいいのでは?」と思われる方もいるでしょう。しかし、さまざまな顧客を想定すると、多様なメニューや広告、在庫などが必要になり、コストがかかりすぎてしまいます。
前述のように「横浜市の栗原義男さん」と具体的な顧客像を決めて、「栗原さんには、どういうセールストークやキャッチコピーが心に響くのかな?」「どんなところにお店の情報を出せば栗原さんが目にしやすいかな?」「栗原さんが喜ぶ品ぞろえは何かな?」などと検討すれば、無駄なコストや在庫を増やさなくて済みます。
定年起業者にペルソナマーケティングをお勧めしたいのは、「どんなお客さまに来てほしいか?」と自分中心に考えてほしいからです。それにより、本当にやりたいこととの「ずれ」を、できるだけ少なくできるはずです。 (取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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