夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦】大工さんの価値を高めたい 「匠とお客さまの架け橋に」

更新日:2014.05.19

 佐土原福利(さどはら・ふくとし)さん(52)は、28歳で注文住宅の大工さんになり、勉強と経験を重ねて二級建築士の免許を取得しました。そこで気づいたのは、腕のいい大工の棟梁(とうりょう)でも、お客さまとコミュニケーションがうまくできていないということでした。

 「そのことが私の心の中にもやもやと残っていて、現在の起業につながっています」(佐土原さん)

 その後、佐土原さんは大手不動産会社で営業や設計、業者の手配、集金など、さまざまな業務に携わりました。そこでは、大工さんが不足していると感じました。

 「職人としての大工がリスペクトされていません。だから、なり手も少ないんです。もっと大工さんの価値を高めたいと感じました」

 以前から独立心を持っていた佐土原さんは、“お客さまの要望”と、“匠としての大工”をつなぐマッチング・ビジネスができないかという思いに至りました。

 佐土原さんは2010年11月、個人事業として登録し、活動を始めましたが、工務店や住宅資材メーカーと付き合ううちに法人登記が必要と感じて、弊社(銀座セカンドライフ)に事務所を設立し、「D.Dreamcraft合同会社」を立ち上げました。ホームページ(http://ddreamcraft.co.jp/)を作り、会員制のセミナーや交流会も企画して仲間を募り、大工さんの価値を高め、なり手をもっと増やしたいと精力的に活動しています。

 「起業にはやはり覚悟が必要です。しかし、こうして起業してみると、すべて『自分の時間』なのですよね。自分がやりたいことにすべての時間を使うことができる。とても豊かな時間を過ごしているな、という思いはあります。(定年企業を考えている人には)もし、やりたいことがあるのなら、トライしてみることをおすすめします」 (取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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16,821

調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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