更新日:2013.12.16
今回、紹介する至道薫(しどう・かおる)さん(50)は、鉄道会社に長い間勤務してきました。車両整備からキャリアをスタートさせ、駅の助役などの現場を経て、社長直轄のICカード戦略や広報、集客宣伝から鉄道イベント企画、採用担当など、いろいろな部署で経験を積みました。
鉄道会社は離職率が低い安定した職場で、至道さん自身も、ずっとこのまま勤務していくのだろうなと感じていたそうです。ところが、お母さまの介護が大変になり、仕事と両立ができないと判断。2010年12月に退職することになりました。
その後、お母さまは他界。これからどうするか、ということで至道さんが選んだのは再就職の道ではなく、自分が持っている鉄道というビジネスに関する知識を生かした起業でした。
「鉄道会社というのは独特な体質で、外部からは見えない事情が多々あります。幸い、自分はさまざまな部署を経験したので、その実績をもとに、鉄道業界相手にビジネスをしたいと考えました。具体的には、企業へのコンサルティングや営業支援などの仕事です」(至道さん)
至道さんは11年7月、鉄道コンサルタント会社「BBTインターナショナル株式会社」(http://www.train-consul.com/index.html)を設立しました。
今までの経験やノウハウを最大限生かせる起業のジャンルを選んだ至道さんですが、鉄道コンサルタントというのは聞き慣れないジャンルです。最初は大変だったようですが、最近ようやく経営が軌道に乗ってきたそうです。
「おそらく、鉄道コンサルタントという肩書は他にないと思います。鉄道会社でも、車両というハードのことは専門家だが運行についてはわからない、というように、他のセクションのことがわかる人は少ないのです。現在は投資機関やマスコミ、IT関連など、さまざまな業種から問い合わせがあり、取引をさせていただいています。もちろん、これからはお世話になった鉄道業界にも提言したいですね」
至道さんは、鉄道会社に就職・転職を希望する、鉄道が好きな学生や社会人のサポート事業も始めています。ちなみに至道さん自身は、それほど鉄道オタクではなかったらしいですが…。 (取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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