夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦!】介護離職防止コンサルに活路 セミナーや個人相談サービスを事業化

更新日:2016.01.18

 介護離職の防止は政府も大きな課題としていますね。大手証券会社を早期退職し、介護現場で働いた経験をもとに、介護離職を防ぐためのセミナーや個人相談サービスを事業化して起業したのが田中肇さん(59)です。

 田中さんは昨年1月に大手介護サービスを退職し、3月にワークケアバランス株式会社(http://work-care-balance.co.jp/index.html)を設立しました。田中さんは大手証券会社に19年間勤務していましたが、早期退職に応じてコンサルティング会社を設立したのです。ところが家族の介護問題に直面し、いったん、その会社をクローズしました。介護問題が一区切りついて田中さんは大手介護サービス企業に入社し、介護の世界に足を踏み入れます。

 「50歳を過ぎてからで、総合職としての採用でしたが、現場からスタートさせてほしいと頼み、介護サービスの厳しい現場を経験しました」(田中さん)

 その後、営業担当となった田中さんですが、金融機関と一緒にセミナーを開くなど独自のやり方で顧客を開拓します。そこで感じたのが、介護の仕事は細分化されていて、包括的に見ることができる人材が少ないということでした。

 「新聞で介護離職に関する記事を読み、介護離職を防止するサービスを事業化できないかと考えました。自分で事業を行うのはリスクもありハードですが、自分の経験と年齢、タイミングは今しかないと考えて組織を出ることにしたのです」

 田中さんによると、大手よりむしろ中小企業の方が介護離職のリスクに敏感とのこと。今、田中さんは順調に事業を展開しています。 (取材・構成:藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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