更新日:2014.02.18
起業には準備期間が必要です。今回ご紹介する勅使河原(てしがはら)修さん(52)は会社員時代、起業を決意して会社に相談したところ、希望を受け入れてもらえ、会社に勤めながら準備できました。シニア起業のお手本にしたい事例です。
「私はゼネコン、不動産会社など建設畑で30年やってきました。ゼネコンは会社が厳しい状況に追い込まれ、希望退職制度に手を挙げました。その後の不動産業では、環境関連事業の部門の責任者として、ある事業を育て上げたのですが、会社と方針が合わなくなり、独立を考え始めました。そして2012年の秋に会社と話をしたのです」(勅使河原さん)
最後の会社では重要なポジションにいたため、会社設立を容認してもらい、半年間は契約社員として契約を続けるという条件になった。勅使河原さんはその期間を利用して、準備を整えることができたのです。
そして同年、株式会社建修社(http://e-sagami.jp/kenshu-sha.com/)を設立し、建築改修のコンサルと施工を行っていくことになりました。
「独立を考えたとき、何が不安かというと、やはり顧客がつくかということですよね。しかし、幸い、その準備期間中に1社と契約を結べて、一安心しました。現在、もう1社と話が進んでいます。まとまれば忙しくなるので、次は人を雇うことも考えねばなりません」(勅使河原さん)
勅使河原さんは建築設備士、1級建築施工管理技士、建築物環境衛生管理技術者などの多くの資格を持つ建築設備や施工のエキスパートで、会社としても、すぐに手放すことはできない人材だったのでしょう。そこは勅使河原さん個人の強みだと思いますが、起業を考えてすぐに会社をやめるより、会社と話をして、一定期間の収入を確保しながら起業準備をするという方法は、参考にしたいところです。 (取材・構成 藤木俊明)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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