夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

「半起業」で助走期間を作り、事業化への道筋立てる

更新日:2013.09.17

定年が近づき、起業を考えている方にアドバイスしたいことのひとつは、今まで経験されてきた仕事、あるいはその周辺から事業モデルを考えてみるということです。新しい業界で一から仕事をスタートするよりも、すでに持っているスキルやネットワークを使えるのは大きな強みです。

渡邉好夫さん(65)は長年、保険会社に勤務されていました。その会社は部署の統廃合が非常に多い会社でした。そのたびに出るのが、大量の事業廃棄物。オフィスにある机やロッカー、備品などです。つまり、金属やプラスチックや木のくず、紙くずなどが山のように破棄されていたのです。

渡邉さんは会社勤めのころから、「これは何とかならないものか」と思っていました。これらを一緒くたに廃棄物として処分するのではなく、可能な限り適正に分別し、再生することはできないものか?

「定年を迎えて、現役時代に考えていたことを事業化したいと考えたのですが、もう少し自分のスキルを高めたい、つまり助走期間が必要だと感じました」(渡邉さん)

そこで渡邉さんは、在職時に縁を持ったリサイクル会社の顧問となりました。週の8割はその会社の仕事を行い、一方で当社(銀座セカンドライフ)のレンタルオフィスにデスクを構え、来年の事業化に向けて私(片桐)と計画を練っています。「いわば半起業の状態だ」と渡邉さんは話しています。

いきなりフル回転で事業をスタートさせるよりも、このように助走期間を持って、少しずつ起業の形を整えていくのも、とても賢明な方法でしょう。

「いまは、半起業から起業へ向かう道筋をいろいろサポートしてもらっています。とくに、起業者交流会で知り合った人脈は貴重ですね」と渡邉さんは言います。

「半起業」の状態ではレンタルオフィスを利用するのがコストパフォーマンス的にもよく、当社も多くの人が利用されています。事業の形がしっかり見えてきた時点で、法人化するなり屋号を考えるなりして本格的に活動をスタートする。これも定年起業のひとつの方法です。(取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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