更新日:2020.06.26
小川拓也さんは、20年以上にわたって流通・消費財業界に携わった後、50代で日本初のキャッシュバックアプリ、「CASHb(キャッシュビー)」を開発し、起業しました。
小川さんは、消費財メーカーが消費者に直接訴求するツールが限られている現状に「ずっと問題だ」と感じてきたそうです。消費財メーカーが消費者に手軽にアプローチして商品を認識してもらい、商品を購入してもらえるツールが必要だとの思いがありました。そこで始めたのがキャッシュビーだったのです。
キャッシュビーは、2016年11月にサービスを開始しました。消費者が食品や日用品を買うと、「CB」と呼ばれるポイントがたまり、そのCBを通じて現金化できるアプリのサービスです。
具体的には消費者が、「キャッシュビー」のアプリで商品の動画広告を見たり、アンケートに回答したりした後に商品を購入するとCBが発行されます。商品を実際に購入したかは、利用者が撮影したレシートの写真と商品のバーコードデータを送ってもらい確認します。
小川さんの会社は、食品・飲料・嗜好品・化粧品・トイレタリーメーカーの大企業から広告費をもらって、アプリを運営しています。最近はネットとリアルをつなぐO2O(オンライン・トゥ・オフライン)のダイレクトマーケティングプラットホームで様々な企画ができるため、大手食品メーカーを中心に対象商品が増えているそうです。
サービス実現には、多くの困難があったそうです。キャッシュビーと同じサービスは、アメリカやヨーロッパでは既にビジネスモデルとして確立していたそうです。日本向けに改良するため、「前職の時からアメリカに渡って、情報収集や人脈を広げてきました」といいます。
創業時は資金面の苦労も絶えませんでした。日本初のサービスでもあり、理解されるまで時間がかかったそうです。
その後、局面が変わりました。経営方針を柔軟に変えることにして、18年に楽天銀行と提携しました。食品や流通業界に新サービスを提案しても、「なかなか受け入れてもらえない」日々が続きましたが、楽天銀行との提携をきっかけに取引先の反応が変わり始めたそうです。
これから力を入れるポイントを伺うと、「会員獲得とクライアント獲得のスピードアップ」と答えてくれました。
「現在、約35万人の会員がいます。楽天銀行と築いた事業連携をさらに拡大するため、最優先で大手の連携先を探したい」といいます。広告主を獲得するスピードを上げるため、食品卸業の元営業責任者を顧問として迎えるそうです。「もっとキャッシュビーを広げるため尽力したい」と抱負を語ってくれました。
(銀座セカンドライフ代表 片桐実史)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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