更新日:2022.06.06
資産運用と聞くと、株や投資信託、不動産投資などを思い浮かべる方が多いと思います。今回、それらの中から「これなら自信を持ってアドバイスできる」ということで、不動産投資に特化したファイナンシャルプランナー(FP)として起業された斎藤岳志さん(45)を紹介します。
斎藤さんは大学を卒業後、百貨店に勤務し、税理士事務所、経営コンサル会社などでも働いた経験があります。ご自身で不動産投資をしていたこともあり、FPの資格を活かし、会社在職中の2013年8月に、週末起業のスタイルでFPオフィス「ケセラセラ横浜」を開業しました。
斎藤さんは、これまで不動産投資の相談を受ける中で、「やらなければよかった」というネガティブな声をよく聞いていたそうです。相談やセカンドオピニオンとしてのアドバイスだけでなく、不動産購入から売却までお客様の立場に立って一緒に歩いていくようなトータルサポートができれば事業になると考えたのが起業のきっかけです。
起業する時に意識したことはメリハリのあるお金の使い方です。知り合いの起業家がコストが安いシェアオフィス(レンタルオフィス)を利用して起業していることを知りました。そこで事務所の家賃を抑える代わりに、ホームページにお金を掛けて充実させることが自分にとっては最優先だと考えたといいます。
不動産は、住まい選びが上手な女性の方が細かいところまでホームページをしっかり見るのではないかと考え、ターゲットを絞りました。具体的に「35歳独身女性」イメージし、親しみのある女性目線のホームページを目指しました。制作にあたっても女性のWebデザイナーに依頼することにこだわったそうです。今では独身女性だけでなく、男性や年配の方など幅広い方がホームページを見て相談が寄せられるといいます。
初回相談の料金は1回3万円程度ですが、これまで訪問やテレアポ、チラシ配布などの営業をしていないという斎藤さん。集客はどうしているのか伺うと、起業してから、定期的にメルマガやブログでの情報発信、不動産系の記事の監修などに力を入れ、地域ラジオ番組にも定期的に出演して資産運用に関するアドバイスもしているそうです。
不動産に特化したFPは珍しく、いろいろな方法で情報発信をしていく中でFPの仲間から「出版社を紹介するから企画書を書いて」と言われ、著書を出版することもできたそうです。
起業するために「全部一人でやらないこと」が大事だったと言います。自分がどのようなところで役に立つか、好きなことで継続できそうな事は何かを考えました。苦手なことは他人に任せ、自分にしかできないことに注力することで良い仕事ができるとおっしゃっていました。
斎藤さんの成功のポイントは、起業当初からターゲットを明確にしてメリハリを付けて投資を抑えたことにあります。集客についてもメルマガやブログ、ラジオ、書籍などいろいろな情報発信を組み合わせ、定期的に続けたことが人とのつながりを強くし、お客様から信頼される関係を築けたのだと思います。
(銀座セカンドライフ社長 片桐実央)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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