更新日:2023.09.05
美宝(みほ)れいこさん(44)は、パラレルキャリア(複業)で働く女性の活躍を応援するために、2018年にエール株式会社(東京都渋谷区)を設立しました。現在は、国内外から3000人以上の女性が所属するコミュニティーの代表を務めるだけでなく、女性のキャリア支援スクールの運営、優秀な女性と企業をつなぐプロダクション事業などを行っています。
また、働く女性向けの講演やコンテストの審査員などにも積極的に取り組んでいます。美宝さんが起業したきっかけは、母が亡くなったことで改めて自分のキャリアを見つめなおしたことでした。まずは好きなことで起業してみようとパラレルキャリアで始めたそうです。
会社員を続けながらアロマセラピストの資格を取ってリラクセーションサロンをオープンしました。しかし、どうやって集客したらいいのか方法がわからず、それまでSNSなどを使った発信も一切したことがなかったため、ビジネス塾に通い、基礎知識やSNSマーケティングを学びながらお店を続けていました。
SNSやウェブで少しずつ集客ができるようになってきたころ、キャリアに悩む女性から複業の相談をされることが増えていきました。そこで複業のコンサルティングを始めたところ、かなりの需要があったことから本格的に女性のキャリア支援をメインとする法人を設立して事業として取り組みを始めたそうです。
コンサルティングで大切にしたことは相手との「関係構築」でした。SNSでセルフブランディングを行いつつも、売り込むのではなくコミュニケーションを大事にすることで「話してみたい」「会ってみたい」という方が増えていき、全国からお申し込みが入るようになりました。
起業して苦労した点は事業モデルを拡大することでした。SNSを活用した個人向けスモールビジネスということもあり、1人で事業を成長させていくことに限界を感じ、改めてビジネスモデルを考え直しました。まずは軸となるビジョンを掲げ、その思いに共感してくれる仲間をスカウトし、新たなモデルを再スタートさせました。それが今のコミュニティーの基盤にもつながっているそうです。
そして、個人向けから法人向けサービスまで事業を増やしたことで、売り上げが安定しました。美宝さんは、活躍する女性がもっと増えてほしいという思いがビジネスの根底にあるため、コミュニティー内の女性のスキルアップに貢献することができたことや、本業で成果につながった報告を受ける時が、一番うれしいということです。
起業の準備に時間をかける人もいます。スピードの早い時代なので完璧にしてからスタートするのではなく、60%程度でもいいので世の中にサービスを出してみて、改善をしながら整えていく方法がおすすめだと、最後に美宝さんは語ってくれました。
事業が最初から考えた通りにうまくいくことはまれです。美宝さんは、目的を変えずに手段を柔軟に変化させていくことが重要であるという考えの持ち主でした。お客様の反応や世の中の反応に対してフィードバックを重ねていくことで事業モデルが少しずつ磨かれ、最終的にお客様に喜んでもらえる。そして競争力のある独自の商品やサービスを提供することができるようになると思います。
(銀座セカンドライフ社長 片桐実央)
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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