産経新聞×銀座セカンドライフ タイアップ企画

【片桐実央のゆる起業のススメ】カフェなど開くなら 「発注コンペ」という手も

更新日:2016.07.13

 お菓子作りや料理作りの腕を生かしてカフェを開きたい女性(56)がいます。適切な物件を確保し、知り合いから内装工事業者を数社、紹介されましたが、どの業者にどのように頼めばいいのか迷っています。今回は発注先を決める方法の一つ「コンペ」についてお話しします。

 コンペとは、コンペティション(競争)の略語。ビジネス案件を発注する際、複数の業者に発注の条件を提示し、集まった案の中から優れたものを採用する方式のことです。競技場など大きな公共施設の建築コンペはニュースで報じられますね。

 コンペを開くと、一度に多くの提案が集まります。思いがけないアイデアが見つかる可能性のほか、業者間の競争で価格が抑えられる点がメリットでしょう。

 女性のケースでは、複数の業者から見積書を取って検討する「相見積もり」という方法もあります。ただ相見積もりは、工事価格を書面で比較するだけになってしまいがち。建物の設計や内装工事に詳しければ別ですが、そうでなければ、コンペの場でさまざまな業者の人とコミュニケーションをし、こちらの要望や向こうのアイデアを話し合いながら進めた方がよいこともあります。

 コンペを開く場合は、まず提案依頼書(RFP)を作成して、参加業者を集めた説明会を開きます。RFPに決まった様式はありませんが、例えばカフェの内装であれば、(1)お店の名称や住所などの基本情報(2)物件の図面(3)必要な設備とその数量(4)どんな内装にしたいかというコンセプト(5)工事のスケジュールや完成時期の希望-などを入れておきます。RFPを説明会で配布し、こちらの希望をしっかり伝えたうえで、コンペの場で最適な案を出してきた業者を選びましょう。この方法はシステム開発の発注などでも使われています。

 ただ、コンペには完成までに手間や時間がかかるというデメリットがあります。また発注先の候補が少ない、さほど大きな発注でない場合などは、相見積もりや信頼できる業者に頼む方が効率的です。

女性は納得のゆく工事をしてほしかったので、コンペを開きました。RFPを作成することで、お店のイメージがより明確になり、業者とうまく交渉できたとのことです。

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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