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【片桐実央のゆる起業のススメ】融資の審査が通るかどうか… 融資申請のポイント教えます

更新日:2016.08.31

地域のコミュニティーづくりのために、カフェを開きたい女性(53)がいました。物件の敷金や内装工事の他、厨房(ちゅうぼう)機器や備品も必要ですが、自己資金だけでは足りません。金融機関からお金を借りるつもりですが、実績がないので融資の審査が通るかどうか不安とのこと。今回は融資を受けるときに大切なポイントをお話しします。

 起業家が金融機関に融資を申し込む際は、事業計画書が重要な意味を持ちます。事業計画書とは、簡単に言えば(1)何を(2)誰に(3)どのようにして売る予定なのか-を具体的にまとめた書類。このなかで融資審査において特に重視されることが3つあります。

 1つ目は「創業の経緯」。起業までのご自身の経歴や、創業の動機、目的、経営理念などを明確に記載します。経歴にはアルバイトやパートの経験も含め、できるだけ詳細に書いておきましょう。

 2つ目は「融資の使途と自己資金」。要は「借りたお金を何に使うか」「自分で用意した額はいくらか」ということです。融資の対象は通常、(1)資産となるような設備費(2)向こう3カ月分程度の運転資金-です。女性のケースなら敷金や内装工事代、厨房機器などは(1)、賃料や食材の仕入れ代などが(2)に該当します。

審査では(1)と(2)の総額のうち、どの程度を自己資金でまかなえるかを見られます。つまり「どれだけお金を用意できたか」が「起業に対する覚悟」を示すといえそう。自己資金ゼロでの融資申請はお勧めしません。

 3つ目は一番大切な「返済計画」。借りたお金は当然返さなければなりませんから、返済原資になる毎月の利益の見通しを立てるために「月次利益計画」を作ります。毎月の売上高から経費を引いて利益を算出してみましょう。大切なのは「利益が出るタイミングはいつか」「その利益は継続して出せるか」。これらを具体的に示せるかどうかがポイントになります。

女性は事業計画書をより具体的なものにするために、内装工事や備品などの見積もりを業者に依頼。それらを基に36カ月分(向こう3年分)の月次利益計画を立てて、事業計画書を書き直しました。できるだけ万全の準備をして融資を申し込むつもりです。

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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