更新日:2017.02.15
経営コンサルタントや物販を始めたいと思っている男性(52)が、起業に対して年齢的な不安を感じていました。今日は、一般的な起業とシニア起業の違い、シニア起業の強みと弱みをお話ししたいと思います。
一般的な起業と違い50、60代で起業する方には特徴があります。(1)1人起業(2)収入より、やりがい重視(3)事業拡大より事業継続-の3点です。
(1)については、仲間とともに起業する方もいらっしゃいますが、自分のペースや意思で進められることを重視します。(2)は、たくさん稼ぐことより、人から感謝され、地域や社会のために貢献することを優先する傾向が強いようです。さらに(3)では、一般的な起業の成功は、株式上場や従業員数・売り上げの増加を指しますが、それよりも年齢に関係なく、働けるうちはいつまでも働きたいと考える人が多いようです。
このような起業スタイルを弊社では“ゆる起業”と呼称しています。“ゆる起業”とは、やりがいのある仕事を身の丈に合った形で起業することです。
では、シニア起業の強みは何でしょうか。まずは、豊富な「経験や人脈」を生かせることです。前職での職務経験や趣味や資格勉強で培ったものを活用できることが強みです。起業内容に関連する前職の経験がある人は、開業直後から良好な業績を得やすいという調査結果もあります。
2つ目は、他の世代と比較して、事業規模を小さめにして慎重に始める方が多く、失敗するリスクが低い点です。金融機関から融資を受けて借金する方も少なく、在庫や店舗を持たない起業スタイルを選ぶ傾向にあります。
では、逆にシニア起業の弱みは何でしょうか。経験ある分野で起業する人が、全体の約8割です。前職でやってきたことを起業後も継続する方が多いのです。そのため、自社の強みやセールスポイントを意識せずに起業してしまう方も少なくありません。競合他社との商品・サービスの違いを知るために、比較表を作成すると良いでしょう。
男性は、年齢的な不安を克服し、シニア起業の強みを生かすため、経験と人脈を改めて棚卸ししました。起業後は、棚卸しした自分の強みを最大限に生かせるよう、慎重に事業を進める予定です。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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